[ヒューストン 11日 ロイター] - 熱帯低気圧「バリー」の接近を受け、エネルギー各社がメキシコ湾や沿岸にある石油関連施設から従業員を退避させる中、11日時点でメキシコ湾一帯の石油生産は半分以下に減っている。
米当局によると、製油所の閉鎖などにより、メキシコ湾の石油生産の53%に相当する日量100万バレル超の生産が停止、天然ガスの生産は日量12億立方フィートが停止している。
メキシコ湾で操業するフィリップス66(PSX.N)、エンブリッジ(ENB.TO)、アナダルコ・ペトロリアムAPC.N、シェブロン(CVX.N)、ロイヤル・ダッチ・シェル(RDSa.L)などが操業を停止し、従業員を退避させて暴風雨に備えている。
一方、メキシコ湾での減産にもかかわらず、米原油、天然ガス、ガソリンの先物相場はいずれも下落。石油輸出国機構(OPEC)が11日公表した月報で、2020年について、OPEC非加盟国の増産を反映しOPEC産原油に対する需要は減少するとの見方を示したことが材料視された。
バリーは勢力を拡大しつつあり、カテゴリー1のハリケーンになる見通し。
米国立気象局は、ルイジアナ州沿岸地域に12日夜までハリケーン警報を発令。気象予報士によると、13日に同州沿岸に上陸する可能性があるという。
11日遅くの時点で、バリーは風速毎時40マイル(毎秒約18メートル)で、ミシシッピ川の河口から南に約145キロの地点にあり、時速7キロで西に向かっている。
バリーの接近で河川の水位が上昇し、洪水が起こる可能性も懸念されている。