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インタビュー:為替の偏った動きには対策の用意=菅官房長官

[東京 10日 ロイター] - 菅義偉官房長官は、ロイターとのインタビューに応じ、外国為替市場で一時1ドル107円台の円高水準を付けたことに関し、偏った動きには「日本として対策をやる用意がある」と述べた。

 4月10日、菅義偉官房長官は、ロイターとのインタビューに応じ、外国為替市場で一時1ドル107円台の円高水準を付けたことに関し、偏った動きには「日本として対策をやる用意がある」と述べた。写真は2014年2月撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino)

2017年4月の消費税率10%への引き上げについては「リーマン・ショックのような重大な事態が発生しているとは認識していない」とし、増税を前に必要な環境整備を急ぐ考えを示した。

外国為替市場で、1年5カ月ぶりの水準まで円が買われた背景には、安倍晋三首相が米紙のインタビューで為替介入に慎重な姿勢を示したことがあるとされる。

菅官房長官はこうした見方に対し、安倍首相の発言は、2月の主要20カ国・地域(G20)財務相・中銀総裁会議で「通貨の競争的な引き下げを回避する」ことで一致したことを踏まえ、長期にわたって為替を操作し続けるのは望ましくないと指摘したに過ぎないと説明。為替介入がしづらくなったのではないかとの見方については「当たっていない」と明確に否定した。

一方、デフレからの脱却に向け、政府・日銀は連携して物価安定目標2%の実現をめざすと強調。日銀が導入したマイナス金利政策の効果は「中長期的に見守っていく」と述べた。

菅官房長官とのインタビューは、9日に実施した。

主なやり取りは以下の通り。

──為替の変動が激しい。為替介入の可能性はあるか。

「緊張感、警戒感を持って市場動向を注視したい。為替に対しては各種の政策手段を有しているが、具体的な措置についてコメントは控えたい」

──G20で競争的な通貨切り下げが望ましくないとの認識が共有され、日本政府にとって為替介入がしづらい状況になったとの指摘がある。

「その指摘は当たらない。急すぎる動きや偏った動きについては、日本として対策をやる用意がある」

――安倍首相が米紙インタビューで介入に対する慎重姿勢を示したことで、介入に対する市場の警戒感が薄らいだと受け止める向きもある。

「首相の『恣意的な為替介入は慎まなければならない』との発言は、G20で『通貨の競争的な引き下げの回避や競争力のために、為替レートを目標としない』とされたことを踏まえ、あくまで長期にわたって為替を操作し続けることはよくないことに言及したに過ぎない」

「G20では、過度の変動や無秩序な動きが影響を与えるということについても、認識が共有された。そうした一方向に偏った動きになれば、政府としては緊張感を持ち、場合によっては必要な措置を取るということだ」

──足元では消費に弱さが見られるが、17年4月の消費税率引き上げは予定通り実施できるのか。

「社会保障制度を次世代に引き渡す責任があるという中で、リーマン・ショックや東日本大震災のような重大な事態が発生しない限り、そこは行っていきたい。そのために経済の好循環を力強く回し、予定通りの引き上げに向けた経済環境を作っていく考えだ」

「今、リーマン・ショックのような重大な事態が発生しているとは認識していない。我が国の経済の足腰はしっかりしている」

──労働力不足が問題となる中、移民政策について政府はどう取り組むか。

「人口減少社会の中で、日本経済が中長期的に成長していくためには、労働人口を維持した上で、生産性を上げていくことが一番のカギだ。外国人材の受け入れの在り方についても検討を進めている。もっとも、これは移民政策ではない」

「高度外国人材は、海外でも受け入れ競争になっているので、諸外国以上に魅力的なものにしていかなければならないと思っている」

──デフレ脱却に向け、日銀には何を期待するか。

「大胆な金融緩和によって、固定化したデフレマインドから抜け出すことのできる状況が、着実に出来つつある。日銀は、マイナス金利政策の導入で、住宅ローン金利などが明確に低下し始めており、設備投資や住宅投資にプラスの影響を及ぼすと説明している」

「マイナス金利が実際に適用されるのは、日銀当座預金の一部だ。金融機関の収益圧迫が懸念されているが、デフレから脱却できれば金融機関全体にとってはプラスの影響があるだろう」

「日銀はそうした説明をしっかり行う必要がある。政府としては、その効果について中長期的に見守っていく」

──金融政策の「限界説」も取りざたされている。

「そこは当たらない。政府・日銀が連携しながらしっかり物価目標実現のためにやっていきたい。金融政策もやりながら、成長戦略もきちっとやっていくということだ」

──新たな経済対策は必要か。補正予算を編成すれば財政健全化目標がさらに遠のきかねない。経済再生と財政再建をどう両立させていくのか。

「2015年度補正予算の早期執行、16年度本予算の前倒し執行が最大の景気対策だ。ここに全力を挙げていきたい」

「経済再生最優先という政府のスタンスに変わりはない。同時に財政再建の旗も下ろさない。財政健全化を達成するためには、経済の拡大が極めて重要だと考えている」

──5月には主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)が開かれる。どう協調策を取りまとめていくのか。

「サミットでは現下の経済情勢が最大のテーマになると思っている。主要7カ国(G7)にコミットメントと政策協調が求められるので、日本としてどのような貢献をしていくべきか、見極めていきたい。国際金融経済分析会合で、世界の著名な学者から意見を伺うなど、政府として今まさに取り組んでいるところだ」

──衆参ダブル選の選択肢は。

「解散・総選挙の判断は首相の専権事項だ。首相は解散の「か」の字も頭の隅にないと言っているので、その通りではないだろうか」

梅川崇、スタンレー・ホワイト 編集:田巻一彦

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