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サントリー、基礎研究強化へ関西に新研究所 健康・長寿分野など重点

[京都 27日 ロイター] - サントリーホールディングス[SUNTH.UL]が京都、大阪、奈良の3府県にまたがる「関西文化学術研究都市(けいはんな学研都市)」で建設を進めていた新研究所が27日に竣工、7月10日に開所する運びとなった。同研究所は、健康・長寿分野を始めとする基礎研究を強化する新たな拠点となる。

 5月27日、サントリーホールディングスが京都、大阪、奈良の3府県にまたがる「関西文化学術研究都市(けいはんな学研都市)」で建設を進めていた新研究所が竣工、7月10日に開所する運びとなった。写真は新浪剛史社長。2014年7月撮影(2015年 ロイター/Issei Kato)

新浪剛史社長は竣工式後の会見で、「健康長寿は日本が課題先進国。海外で勝ち抜けるシーズを作っていく」と意気込みを語った。

<組織の壁にとらわれない研究促進>

大阪府にあった3つの研究所を統合して誕生した新施設は「サントリー ワールド リサーチセンター」(京都府精華町)。総工費100億円で、グループの基盤研究を担う拠点となる。敷地面積約4万9000平方メートル、延べ床面積約2万3000平方メートルに約400人が勤務する。敷地はまだ余裕があり、今後、拡張も可能だ。

新浪社長は会見で「他にない物を作っていくというのが、サントリーの創業の精神。海外連携も進め、サントリー発展の一番の拠点にしたい」と述べた。

新研究所を象徴する言葉として、同社が強調するのが「響創」だ。施設の中は吹き抜けになっており、研究者同士を隔てる壁は少ない。ある研究者は「これまで3つの研究所で非効率な面が多かったが、効率的に、多角的に研究を行うことができるようになる」と話し、相乗効果の拡大に期待を示す。

この中には3社と1財団の基礎研究部隊が入るが、会社ごとではなく機能ごとに実験室を使うなど、組織の壁にとらわれない研究ができるよう工夫されている。

壁がないのは、建物の中だけではない。研究所の前にある道路と敷地との間には壁や柵を設けていない。「けいはんな学研都市」には、パナソニック6752.Tや京セラ6971.Tなど関西を代表する企業のほか、同志社大学、国際高等研究所なども集まり、産官学の協力体制が容易になっている。国際的な連携も進めていく考えだ。

<基礎研究への投資さらに厚く>

サントリーグループの2015年の研究開発費は200億円超。新浪社長は「『やってみなはれ』の根本はR&D(研究開発)。シーズとなるR&Dにより資源配分を行っていきたい」と述べ、人材の獲得を含めて、R&D分野への投資を厚くしていく考えを示した。

同社の研究開発はこれまで、ユニークな結果も多く残している世界で初めて成功した「ホップ」のゲノム解析。「ホップ」はビールの味を左右するだけに、本業のビール事業に大きくかかわってくる。

基礎研究の重要な対象となるのが、日本をはじめ世界の食品や飲料ビジネスに広がる健康志向への対応だ。人間の体と物質の作用などを研究することが、特定保健用食品(特保)などの新商品につながってくる。新浪社長は、この研究所に期待する成果として、真っ先に健康・長寿分野を挙げ、「大きなニーズがある」と述べた。

清水律子 編集:北松克朗

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