[チューリヒ 15日 ロイター] - スイス連邦最高裁は15日、ドーピング規定違反による8年間の資格停止処分を不服とした競泳男子の孫楊(中国)の異議を認め、処分取り消しでスポーツ仲裁裁判所(CAS)に差し戻しとした理由について、CASのメンバーの1人が動物の権利に関わる反中国発言をしたからだと説明した。
2012年ロンドン五輪と16年リオデジャネイロ五輪で金に輝いた孫は、18年9月の競技会外検査で採取された血液サンプルを含む容器を壊すなどの妨害行為に及んだ。
国際水泳連盟(FINA)はこの件に重い処分を下さなかったが、世界反ドーピング機関(WADA)が異議申し立てし、CASが2月に処分を下した。孫はこれを受け、先月に「CASのメンバーの1人に偏見があった」としてスイス連邦最高裁に訴え、これが認められていた。
スイス連邦最高裁はこの決定について、CASのメンバーの1人であるフランコ・フラッティーニ氏がツイッターで「中国人による犬の屠殺行為と、中国の地元まつりで犬肉が消費されていることを強く非難した」と述べ、この投稿から同氏が、中国人と中国人の犬の扱いに対する偏見があった可能性があると説明した。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」