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スイス中銀、バランスシートが1兆フラン近くに拡大 為替介入受け

3月22日、スイス国立銀行(写真)は、必要ならばバランスシートをさらに拡大することが可能との認識を示した。チューリッヒで2020年9月撮影(2021年 ロイター/Arnd Wiegmann)

[チューリヒ 22日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行)は22日、必要ならばバランスシートをさらに拡大することが可能との認識を示した。これに先立ち公表した年次報告書では、2020年に為替市場への介入額が1100億スイスフラン(1182億7000万ドル)に達したことが明らかになった。

新型コロナウイルス流行を背景に安全資産フランの上昇圧力が強まったことを受け、介入額は前年の132億フランから拡大し、2012年以来の高水準となった。

このため、中銀のバランスシートは1兆フラン近くに膨らんだ。これはスイス経済の規模を大きく上回る水準だ。

中銀の報道官はロイターに対し、昨年下半期に介入は減少しているとしつつ、バランスシートの規模が膨らんだからといって介入をやめることはないと説明。「金融政策面の理由で必要ならば、中銀はバランスシートをさらに拡大する十分な余地がある。外為市場介入とそれに伴うバランスシートの拡大は現在のところ必要な金融政策手段であり、為替操作と何ら関係はない」と述べた。

中銀は、物価の安定を目指す中で「(バランスシートの規模は)金融政策上の必要性と行動を反映しているにすぎない」とした。

一方、一部エコノミストは潜在的なリスクを懸念。コンサルタント会社WPulsのエコノミスト、アドリエル・ジョスト氏は「スイス中銀のバランスシートの規模は未知の結果を伴う大規模な実験だ。インフレが戻れば、それとの戦いという未踏の領域に踏み込むことになる。金融システムにおける流動性の規模を背景に金利を引き上げても市場への伝達がより困難になるだろう」と語った。

また、投資した株式や債券の価値が下がれば大規模な損失を抱えるリスクもある。ジョスト氏は、そうなれば中銀への信認が失われる可能性があると付け加えた。

とはいえ、UBSのエコノミスト、アレッサンドロ・ビー氏は、スイス中銀はバランスシート縮小に慎重になると指摘。「市場にタカ派シグナルと受け取られ、フラン高につながる。これは中銀にとって避けたい事態だ」と述べた。

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