[チューリヒ 20日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行、SNB)のジョルダン総裁は、中銀は必要ならば既に超緩和的な金融政策を一段と緩和し、マイナス圏にある金利をさらに引き下げることが可能との見方を示した。
SNBはスイスフラン高抑制に向けた政策の中心として、中銀預金金利をマイナス0.75%で維持している。
ジョルダン総裁はスイス紙ブリックとのインタビューで、SNBは必要ならば、一段と金利を引き下げるか外貨購入を増やすことが可能と指摘。「マイナス金利をさらに引き下げる可能性は常にある」とした。国際通貨基金(IMF)・世界銀行春季会合でも同様の発言をしている。
総裁は「われわれは既にかなり踏み込んでいるが、(利下げの)可能性は依然ある。われわれはまた、必要ならば、介入によってバランスシートをさらに拡大することができる」とした。
その上で、一段の措置に踏み切る前にそれが意義ある行動かどうかについて検討するとの姿勢を示した。
総裁は、フランは引き続き「高く評価」されているため、SNBの現在の戦略は適切だと説明。ただ、過去3年間で状況は改善したとの認識も示した。
スイス経済はこれまでフラン高への適応力を高めてきた。一方で、諸外国のインフレ率上昇はスイス製品の競争力維持を助けている。
総裁は「インフレ率は海外で上昇しているため、実質為替レートはもはや2015年とは異なる」と述べた。
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