July 5, 2012 / 1:28 PM / 7 years ago

ECBが主要政策金利を0.75%に利下げ、中銀預金金利もゼロに

[フランクフルト 5日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)は5日、主要政策金利であるリファイナンス金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ、過去最低水準となる0.75%とした。だが国債買い入れや長期資金供給オペなど、より踏み込んだ緩和策を実施する可能性については示唆しなかった。

7月5日、欧州中央銀行(ECB)は、主要政策金利であるリファイナンス金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ、過去最低水準となる0.75%とした。写真はフランクフルトのECB本部前で6月撮影(2012年 ロイター/Alex Domanski)

さえない経済指標がこのことろ相次いでおり、利下げは全会一致の決定だった。

ドラギ総裁は理事会後の記者会見で「ユーロ圏の経済見通しに対するリスクは依然下向き」とし、現時点で域内に成長はほぼ見られないと述べた。

「中長期的には、ユーロ圏経済は緩やかに回復すると予想しているが、とりわけ一部のユーロ圏国債市場の緊張やそれが信用状況に与える影響など、多くの要因によって回復の勢いが阻害されている」と述べた。

利下げを好感し当初上値を伸ばしていた欧州株は、このドラギ総裁の発言を受けて下げに転じた。

ECBの利下げに加え、この日はイングランド銀行(英中銀)も追加の資産買い入れを決定。中国人民銀行(中央銀行)も予想外に2カ月連続で利下げに踏み切った。

だがドラギ総裁は、3中銀間に政策協調はなかったと説明している。

ECBはリファイナンス金利の引き下げに加え、下限金利の中銀預金金利を0.25%からゼロに引き下げた。上限金利の限界貸出金利も25bp引き下げ1.5%とした。

ユーロ圏では、銀行がオペを通じて確保した資金をECBの預金ファシリティーに還流させる構図が続いているが、預金金利がゼロとなればECBに預け入れるメリットがなくなり、銀行間融資が促進される可能性がある。

リファイナンス金利の25bp引き下げにより、これまで3年物オペで供給されたおよそ1兆ユーロの資金の利払いは、年間およそ25億ユーロ軽減される。そのためECBに資金調達を大きく依存している南欧諸国の銀行にとっては、とりわけ追い風になるとみられている。

利下げは、財政・金融システム不安というユーロ圏が抱える問題の解決策とはならないとみられているが、借り入れコストの引き下げは、ECBに景気支援の用意があることを示している。

キャピタル・エコノミクスのジェニファー・マッコーエン氏は「ECBの利下げは、暗い経済見通しを反転させるには力不足だが、少なくとも景気を支援するとの姿勢を示した」と述べた。

<全会一致の利下げ決定は「特別な強み」>

ドラギ総裁は利下げによる企業への支援効果について「後押しとなる。起業家に対し、投資決定のトレードオフは改善していると確信させる」と述べた。

インフレ率は現在、ECBが目標とする2%弱の水準を依然上回っているものの、このところは鈍化傾向にある。ただドラギ総裁は域内にデフレの兆候は全く見られないとの認識を示した。

ロイター調査では、エコノミスト71人のうち48人が利下げを予想していた。25bpの利下げ予想が大半だったが、より大幅な利下げを見込む向きもいた。

ドラギ総裁は利下げは全会一致の決定だったことを明らかにし、「これは特別な強みを持つ」と述べた。

ユーロ圏債務危機の影響にもかかわらず、総裁は現在の経済・金融の状況は、米リーマン・ブラザーズ破たん後に世界的に金融危機が深刻化した2008年ほど悪くないとの考えを示し、「そこまで悪化していない。現在の金融環境は1カ月前からやや改善している」と述べた。

<非標準的措置>

国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事がECBに国債買い入れの再開を求めるなど、ECBに対しては、より踏み込んだ措置を講じるよう圧力が高まっていた。

だがドラギ総裁は「非標準的措置については全く議論しなかった」と言明。国債買い入れや3年物資金オペの可能性については明確なシグナルを示さなかった。

昨年12月と今年2月に実施した2度の3年物オペでおよそ1兆ユーロという大量の資金を供給しており、効果が出るには時間を要するとの考えをあらためて示した。ただ将来的な実施の可能性については排除しなかった。

「非標準的措置は一時的との立場を常に示してきた。将来の決定について事前にコミットしたくない」としつつも、「ただ確実に数カ月は経過しており、実際に信用フローはなおぜい弱」と語った。

ECBは債券買い入れプログラムの終了を発表する用意はないものの、緊急策として温存したい意向が明確になっている。

また常設の欧州金融安定網である欧州安定メカニズム(ESM)について、ドラギ総裁はECBが資金を提供する可能性を否定した。ESMがECBから低金利で資金を確保できれば、財源が大幅に強化され、国債買い入れを通じて市場を沈静化できると期待されていた。

ECBはESMの財源を強化できるかとの問われると、総裁は「責務を越えた行動を要請され信認を損なっても、得られるものは何もない」とし、拡充されたESMと欧州金融安定メカニズム(EFSM)で十分にリスクに対応できるとの考えを示した。

*内容を追加します。

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