December 7, 2013 / 2:52 AM / 6 years ago

複雑な時間軸は予期せぬ効果、必要なだけ緩和継続=黒田日銀総裁

[東京 7日 ロイター] -日銀の黒田東彦総裁は7日、東京大学・公共政策大学院での講演および質疑応答で、金融緩和の継続期間を示す「時間軸政策(フォワード・ガイダンス)」は「複雑すぎると予期せぬ結果をもたらす可能性がある」と述べ、明快なメッセージが重要との見解を強調した。

12月7日、日銀の黒田東彦総裁は、東京大学で講演した。11月撮影(2013年 ロイター/Issei Kato)

「低すぎる予想インフレ率を引き上げるのは大きな挑戦」と述べ、2%の物価目標を達成するためには「必要なだけ強力な金融緩和を続ける」と強調した。

黒田総裁は米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)など各国の時間軸政策の経験を引き合いに、「市場参加者は多種多様なため、あまりに複雑なガイダンスは予期せぬ結果を生じたり、時には破壊的に影響を及ぼすこともある」と述べた。また「金融市場にショックを与えないため、市場との対話では透明性が重要」とも強調した。

総裁は2日の講演で2015年以降の資産買入れについて「外国人投資家の間に誤解がある」と述べたばかりで、日銀が強力な金融緩和を続けるとの姿勢を浸透させたい意向を示した格好だ。

<満期の長い国債買い入れており出口難しい>

異次元緩和からの出口について「野心的(challenging)」と発言。従来の金利引き下げによる金融緩和も市場への影響を考慮すると出口は難しいが、量的緩和政策は過去の経験が少ないうえ、異次元緩和は「満期の長い国債を買い入れているため、過去の量的緩和より出口が難しい」と述べた。

リーマンショック後の各国による大胆な財政・金融政策が「モラルハザード」を生む可能性について、「将来はありうる」と指摘したが、「モラルハザードを起こすからといって国際通貨基金(IMF)を解体しないように、金融危機やパニックを防ぐ機関や政策は必要」と発言。大胆な金融緩和にまい進する姿勢を印象づけた。

<上下リスク点検し必要あれば調整>

総裁は異次元緩和について、「どんなに強いコミットメント(必達目標)を示しても、裏打ちするものがなければ、人々に日銀の強い意志を信じてもらうことはできない」ため導入する必要があったと説明。緩和の結果、「実質金利がマイナスとなり民間需要を刺激」するなど「想定したとおりの効果を発揮している」と指摘、「日本経済は2%目標実現に向けた道筋を順調にたどっている」と強調した。

また「経済・物価情勢の上下双方向のリスクを点検し、必要であれば調整を行っていく方針」と繰り返した。

15年にわたるデフレの原因について、低成長や新興国台頭など様々考えられるが、「原因は何であれ日銀がはデフレを止める責任があると思っていた」と述べ、従来の日銀の政策を改めて批判した。

異次元緩和に関する学術論文は「まだ多くないが、何年か後には経済学や公共政策研究に新しい1ページを提供している」と自信を示した。

講演・質疑応答は英語で行われた。

(竹本能文 編集:石田仁志)

*内容を追加します。

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