January 22, 2014 / 8:22 AM / 6 years ago

物価目標2%達成に自信、増税による実質所得減など注視=日銀総裁

[東京 22日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は22日の金融政策決定会合後の記者会見で、世界経済の下振れリスクは低下しており物価は2014年度後半以降に2%の目標に達する可能性が高いとし、異次元緩和の効果に自信を示した。

1月22日、日銀の黒田総裁は、世界経済の下振れリスクは低下しており物価は2014年度後半以降に2%の目標に達する可能性が高いとし、異次元緩和の効果に自信を示した。写真は昨年10月、都内で撮影(2014年 ロイター/Yuya Shino)

消費増税による実質所得の減少などが景気・物価の回復に水を差さないか注視していく姿勢を見せた。米財務長官による円安けん制発言は政策運営に影響がないと明言した。

<世界経済全体としてリスクかなり低下>

総裁は景気・物価の現状について「生産から所得、支出への好循環が続き、緩やかな回復を続けており、すべての地域で景気回復のすそ野が広がっている」として自信を示した。

特に海外経済については「米国や欧州など先進国の回復基調がかなり明確になっており、世界経済全体としてリスクがかなり低下している」との見解を示した。

欧米のディスインフレ傾向や商品市況の下落について「注視するが日本がひきずられて2%目標が達成できなくなるとは考えない」とした。

<下振れリスク顕在化していない>

株式や為替市場では、4月の消費増税を控え、日銀が予防的に早期の追加緩和に動くとの期待が海外投資家を中心に根強い。市場の期待に反して追加緩和を見送ることが市場に悪影響を与える可能性について、総裁は「常にマーケットの状況は注視しているが、特別な懸念は持っていない」と明言。理由として「基本的にこれまで想定した道筋を物価は動いており、今までのところリスクは顕在化していない。顕在化しなければ現在の政策が続く」と説明。異次元緩和の効果に「手応えを感じている」とも述べた。

もっとも総裁は同時に「当然、物価見通しについては上下のリスクがある」とし、「上下のリスクを点検し必要な調整を行う方針は変わらない」と、必要と判断すれば追加緩和も辞さない姿勢も見せた。

<自動車、住宅、駆け込み需要顕在化>

日銀では昨年来、円安やエネルギー価格の上昇が物価を押し上げた影響が一巡するため、夏までは消費者物価指数が前年比1%台前半の横ばい圏で推移するとみている。その後、海外経済の回復による輸出や設備投資の回復などにより再び物価が上昇基調に入り、2%を目指すというシナリオだ。

総裁は自動車や住宅、家電など耐久消費財は「駆け込み需要が顕在化している」と指摘。「駆け込み需要と反動減は相殺する」が、増税により「実質可処分所得は減少する」とした。その上で、「政府の経済対策効果、増税がある程度織り込まれていること、社会保障が安定的になることが家計に好ましい影響を与える」とし、現時点では消費が腰折れしないとの見解を示した。

<所定内給与改善みられず、個人の景況感に影響>

もっとも、企業の景況感が「地域、業種、企業規模について幅広い改善がみられる」にもかかわらず、個人の景況感にかげりが見えているのは、「名目賃金の上昇が小幅にとどまっており、特に所定内給与の改善がみられていないため」と解説。「常勤労働者の賃金が上昇することが、雇用者所得の引き上げや、消費を強める意味、物価安定目標に近づける意味でも重要」と強調した。

同時に「ベアだけが物価上昇率を決めるわけでなく、様々な指標や経済動向をみながら政策運営していく」と述べた。

<円安けん制発言、影響ない>

米国のルー財務長官による円安けん制発言の影響について、「金融政策は、物価安定の早期実現が目標で、円安や円高を狙っていはいないので、金融政策が影響受けることはない。制約や問題になるとは考えていない」と述べた。

政府は今年7─9月の景気動向を踏まえ2015年10月に予定されている消費税率の10%への引き上げを判断するが、日銀では「15年10月の増税も前提に金融政策や物価などの見通しを決めている」と述べた。

(ロイターニュース 竹本能文、伊藤純夫 編集:佐々木美和)

*内容をさらに追加して再送します。

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