March 21, 2013 / 10:23 PM / 6 years ago

ロイター企業調査:過半数が増益見通し、円高是正にアベノミクス効果

[東京 22日 ロイター] 3月ロイター企業調査によると、4月以降の業績について、5割以上の企業が増益を見込んでおり、減益を予想している企業は2割以下にとどまった。

3月22日、ロイター企業調査によると、4月以降の業績について、5割以上の企業が増益を見込んでおり、減益を予想している企業は2割以下にとどまった。写真は2011年1月、都内で撮影(2013年 ロイター/Yuriko Nakao)

日本企業を取り巻く、いわゆる六重苦とされる問題の中で、企業が最も悪影響が大きいとみる円高がアベノミクスにより是正され、業績の改善に結びついている。

安倍晋三首相が交渉参加を表明した環太平洋連携協定(TPP)についても、実際に参加すれば業績が拡大すると期待する企業が約4分の1を占め、悪化を見込む企業は数%にとどまっている。ただ、現時点では交渉の具体的中身がわからず、影響は読み切れないとする企業も7割を占めた。

一方、手元資金の有効な使い道について聞いたところ、研究開発に次いで、内部留保との回答が依然として多く、積極的な投資に踏み切れない企業の姿も浮かび上がった。

調査期間は3月4日から3月18日。大企業、中堅企業400社を対象とし、回答は250社。製造業127社、非製造業123社から回答をもらった。

<来期業績、製造業は約6割が増益予想>

3月期決算の企業が新年度を迎える今年4月以降の業績については、増益を見込む企業が全体で54%となり、減益を見込む企業(17%)を上回った。なかでも製造業は増益を見込む企業が59%とほぼ6割に達した。

「かなり増益」と回答した企業からは「円安による収益力の改善と固定費圧縮」(機械)、「増収および円安の影響」(電機)など、円安の効果が業績改善に結びつく姿が明確になっている。

非製造業でも増益を見込む企業が48%とほぼ5割に達し、減益を見込む企業(16%)を上回った。復興工事や大型補正予算により建設・不動産企業の6割超が増益を見込む。

一方、減益を見込む企業からは「原価高による利益圧迫分をコスト圧縮で補う余地がない」(小売)、「電気料金の値上げ」(非鉄金属)などの声が聞かれた。

──4月から来年3月までの業績見通しは、前の期と比べてどのような見通しか。

かなり増益:7% やや増益:47% 横ばい:30% やや減益:13%

かなり減益:4%

<TPP交渉参加、まだわからないが7割>

安倍晋三首相が15日、TPP交渉参加を正式表明したが、企業はその内容が見通せないことから、現時点で業績への影響を読み切れていない。7割超がまだわからないと回答。ただ、業績拡大を期待する企業は23%あるのに対し、悪化を予想する企業は3%にとどまる。

──日本がTPPに参加した場合、業績はどうなると予想しますか。

拡大が期待できる:23% 悪化が予想される:3% まだわからない:74%

<六重苦のうち円高は解消を実感、電力不足は改善見込めず>

日本企業を取り巻くいわゆる六重苦問題について、どの問題が最も悪影響が大きかったか聞いたところ、円高との回答が5割(製造業では7割)となった。次に影響が大きいとされた法人税は20%の回答にとどまり、円高の影響が他の問題を引き離して大きかったことがわかる。

一方で、アベノミクスで緩和したか、これから緩和が期待できる問題について聞いたところ、こちらも円高との回答が55%と最大となった。アベノミクスは円安をもたらしたことで、企業が最も影響を受けていた問題にダイレクトに働きかけたことがわかる。

これに対し、電力不足の問題は18%の企業が最も悪影響が大きかったと回答したが、この問題がアベノミクスにより緩和したか、あるいは緩和が期待されると回答した企業は3%にとどまった。

──日本企業を取り巻く「六重苦」問題について、最も悪影響が大きかったものはどれですか。

円高:50% 高い法人税率:20% 自由貿易協定の遅れ:3% 雇用規制:6%

電力不足:18% 環境規制:3%

──上記のうち、アベノミクスにより緩和したもの、または緩和が期待できるものはありますか。

円高:55% 高い法人税率:21% 自由貿易協定の遅れ:13% 雇用規制:7%

電力不足:3% 環境規制:1%

<手元資金の使途、研究開発に次いで内部留保>

手元資金の使い道として上位3つを聞いたところ、研究開発がトップとなり、次いで内部留保をあげる企業が多かった。海外展開、国内展開もそれに近い水準となったが、M&A、雇用拡大や賃上げなどの優先順位はやや下位となった。

内部留保をあげる企業が多かったという結果は、手元資金を振り向ける先がまだ具体的に見えるほど、投資に向けた環境が改善していないことを示唆している可能性がある。

──手元資金の有効な使い道は何ですか。上位3位までお答えください。

(以下、1位を3点、2位を2点、3位を1点として合計)

研究開発:283 国内展開:243 海外展開:247 株主配当引上げ:72

自己株取得:28 M&A:165 雇用拡充・賃上げ:122

内部留保・その他:257

<黒田日銀への期待、金利低下が一番>

黒田東彦新日銀総裁のもとで、金融政策に最も何を期待するか聞いたところ、長短金利の一段の低下との回答が31%と最も多く、国債購入拡大、リスク資産購入拡大、貸出支援策拡充がほぼ並んで18─19%だった。

ただ、その他との回答には「これらの政策は一長一短。むしろ大きなリスクをはらんでいる」(サービス)、「実需拡大のための施策に関与する余地はあまりない」(化学)などの声も聞かれた。

──新しい日銀総裁・副総裁体制の下で金融政策に最も何を期待しますか。

国債購入拡大:18% リスク資産購入拡大:19% 長短金利の一段低下:31%

外債購入:3% 貸出支援策拡充:18% その他:12%

(ロイターニュース 石田仁志;編集 内田慎一)

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