[東京 8日 ロイター] 財務省が8日に発表した2月の経常収支は6374億円の黒字となった。貿易・サービス収支は11カ月連続で赤字となったものの、所得収支の黒字幅拡大が収支全体の黒字化を支えた。経常黒字は4カ月ぶり。
ただ、前年同月に比べると黒字幅は47.0%減とほぼ半減。季節調整済の経常収支も1億円の赤字と、5カ月ぶりに赤字へ転落した。
ロイターが民間調査機関に行った事前調査では、予測中央値は4663億円程度の黒字だった。予想を上回る黒字を支えたのは1兆4074億円と昨年7月以来の黒字幅を記録した所得収支で、前年比でも13.1%増加した。直接投資に占める配当金・配分済支店収益の支払い減、証券投資の配当金や債券利子の受け取りが増加したことなどが寄与した。
貿易・サービス収支は7306億円の赤字。経常収支上の貿易収支が6770億円の赤字と、昨年2月の953億円の黒字から一転して赤字へ転落した。中国や欧州向けの輸出が減少する一方、燃料を中心に輸入が増加する構図に変化はなかった。
季節調整済み経常収支が赤字となるのは、比較可能な96年以降で昨年9月に続き2度目。財務省では、2月の営業日数の少なさが季節調整の過程で、赤字幅を広げる影響を及ぼしたと説明している。
(ロイターニュース 基太村真司:編集 宮崎亜巳)
*情報を追加して再送します。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」