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国連調査報告「シリアでサリン使用」、米など断固たる決議要求
September 16, 2013 / 2:13 PM / 4 years ago

国連調査報告「シリアでサリン使用」、米など断固たる決議要求

[国連 16日 ロイター] - 国連は16日、シリアの化学兵器使用に関する調査報告書を公表し、8月21日にダマスカス近郊で起きた攻撃で神経ガスのサリンが使用されたと断定した。

9月16日、シリアの化学兵器使用疑惑をめぐる国連調査団の報告書で、8月21日にダマスカス近郊で起きた攻撃でサリンが使用されたことが示されていることが、国連が公表した写真で明らかになった。写真は国連のロゴマーク。ニューヨークで15日撮影(2013年 ロイター/Carlo Allegri)

化学兵器を使用したのがアサド政権か反体制派かについては言及していない。

米英仏の3カ国は同日、化学兵器廃棄に向け明確かつ拘束力のある期日を定めた「強力で断固とした」国連決議を求めることで合意した。

米国とロシアは14日、シリアの化学兵器を2014年半ばまでに廃棄させる枠組みで合意。米国によるシリア攻撃の可能性はひとまず後退したが、オバマ米大統領は、化学兵器の処理が進まない場合、軍事行動の可能性も残されているとしている。

ロシアはシリアに対し厳しい制裁措置を科すことに慎重な姿勢を崩しておらず、両国は反体制派が化学兵器を使用としたと主張している。

シリア国内では、複数の地域で戦闘が起きたと報じられている。トルコは、シリアのヘリコプターがトルコ領空を侵犯したとして、トルコ軍機が同ヘリコプターを撃墜したことを明らかにした。

<国連報告書>

潘基文(バン・キムン)国連事務総長は安保理加盟国に対し「国連調査団は、シリアで化学兵器が使用されたことを明確かつ客観的に確認した」と表明。

シリアが米ロ合意を確実に実行・順守するための方法を検討するよう安保理に求め、「シリアが(合意を)順守しなければ責任を追及すべきという考えに同意する。化学兵器はどこで誰が使用しようと、いかなる場合も犯罪に当たる」と述べた。

報告書は「(首都ダマスカス近郊の)グータで起こった事件に関する調査で得た証拠から、シリアの衝突で子供を含む市民に対し、比較的大規模に化学兵器が使用されたと結論付けた」と指摘。

具体的には「収集した環境的、化学的、医学的サンプルは、神経ガスのサリンを搭載した地対地ロケットが使用されたとの明確かつ確固たる証拠を示している」とした。

また、8月21日は午前2時から午前5時にかけて気温が低下し、このため大気が地面に向けて下向きに流れていたと指摘、多くの市民の避難先となっていた建物の低層階にガスがとどまり、被害者の数が膨らんだと分析した。

潘事務総長は安保理に対し、調査団が採取した血液サンプルの85%からサリンの陽性反応が出たほか、生物医学的サンプルのほぼすべてでサリンの痕跡を検出したと説明した。

<米英仏、「攻撃はアサド政権側によるもの」>

国連調査団の任務は事実調査に限定されており、化学兵器攻撃を行ったのがアサド政権側か反対派かを示唆する情報が報告書の詳細に含まれているかどうかは現時点で不明だ。

ただ、米英両国の国連大使は16日、シリアの化学兵器使用に関する国連調査報告書について、神経ガスのサリンを使った8月21日の攻撃が反体制派ではなくアサド政権側によるものだったことを確認する情報が含まれているとの見方を示した。

フランスのファビウス外相も、アサド政権による化学兵器使用に疑いの余地がないことを国連報告書は示していると述べた。

英国のグラント国連大使は記者団に対し、攻撃の責任が政権側にあることに疑いの余地は残っていないと発言。米国のパワー国連大使も同様の見解を示した。

また一部の西側外交筋はこれまでに、兵器の種類など調査団が入手しているかもしれない情報の詳細には、政府に攻撃の責任があることを示すものが含まれる可能性があると述べている。

ロシアの国連大使は、サリン攻撃を行ったのが政権側だという科学的な証拠はないと主張。シリアの国連大使のコメントはとれていない。

<米国務長官、「順守しない場合は報いを受ける」>

ケリー米国務長官は16日、シリアが化学兵器の引き渡しに関する国連決議を完全に順守しない場合、同国はその責任を取る必要があるとの見解で米英仏、ロシアは一致していると明らかにした。

長官は、英仏外相との共同記者会見で「(シリアの)アサド大統領が期限までに国連決議の枠組みに従わない場合、同国は間違いなく報いを受けるという考えで誰もが一致している。これにはロシアも含まれる」と述べた。

一方、 ロシアのラブロフ外相は同日、シリアの反体制派に和平協議への参加を単に促すのではなく、参加を強いる措置を検討すべき時が来ている可能性があるとの見解を示した。

また、シリアの化学兵器廃棄と米国による軍事行動回避に関し米ロが週末に合意した内容を欧州諸国は解釈し直そうとしているとして非難した。

外相の発言は、シリアのアサド政権が合意内容を実行しなかった場合の武力行使を警告する西側諸国の動きをけん制するとともに、米ロ合意がシリア内戦の終結に向けたより幅広い取り組みにつながらなかった場合、反体制派と西側諸国を非難する構えであることを示唆している。

また、国連憲章7章に基づき米ロ合意を支持する安保理決議を早急に採択するよう求めた欧州の要請について、合意内容を「理解していない」と批判した。同7章では武力行使を決議に盛り込むことも可能となる。

外相は「(欧州諸国は)またしてもわれわれが米国と合意した内容を一方的に見直そうとしている」とし、「欧州からのこうした発言にかかわらず、米国が合意を厳格に守ることを確信している」と述べた。

ラブロフ外相は、米国との合意によると国連憲章7章に基づく武力行使などの措置を盛り込むことができるのはシリアの化学兵器使用やその他の合意違反があった場合に採択し得る第2段階の安保理決議であり、米ロ合意を支持する第1段階の安保理決議に盛り込むことはできないと強調。

シリアが化学兵器廃棄に向けた合意に違反した場合は「米国側と合意したとおり国連安保理が7章に基づく決議を採択することが可能となる」とした一方、決議に武力行使が含まれない可能性もあると強調し、「(決議が)どのような内容になるかは誰にも分からない」と述べた。

*内容を追加して再送します。

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