April 3, 2014 / 2:47 AM / 6 years ago

需給ギャップが日銀の試算でゼロに改善、増税後も物価上昇=関係者

[東京 3日 ロイター] -日本経済の潜在的な供給力と需要との差を示す「需給ギャップ」が、日銀の試算でほぼゼロに縮小しているもようだ。試算通りに需給ギャップがゼロになれば、雇用や設備の過剰感がなくなり、物価上昇に弾みが付きやすくなる。

4月3日、日本経済の潜在的な供給力と需要との差を示す「需給ギャップ」が、日銀の試算でほぼゼロに縮小しているもようだ。都内の日銀本店で2011年2月撮影(2014年 ロイター/Toru Hanai)

日銀は消費増税後の消費動向やマインドの変化を注視しているが、これまでの試算では4─6月期に、需給ギャップのマイナス幅が大きく再拡大し、デフレ圧力が高まるリスクは小さいと想定しているとみられる。

<リーマン前以来のプラス転換も>

日銀は4月30日の金融政策決定会合で、半期に1度まとめる「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を公表し、向こう2016年度までの経済・物価見通しをまとめる。

そこでの物価をめぐる議論の土台となるのが、需給ギャップ。これまで日銀は、13年7─9月分まで対外公表してきた。現在、1─3月までの需給ギャップを試算している。

複数の関係者によると、昨年7─9月はマイナス0.9%だった需給ギャップが、ほぼゼロまで縮小しつつあるという。試算の中にはプラスに転じたとの結果もあり、確定すればリーマンショック前の08年4─6月以来となる。

需給ギャップの測定は、潜在的な供給力を推定する必要があるため、前提や計算方法の違いで大きく振れる。内閣府は3月14日に昨年10─12月の需給ギャップがマイナス1.6%と同年7─9月と同水準にとどまったとの結果を公表している。

日銀は、前提となる潜在成長率を0.5%程度と内閣府の0.7%よりやや下方水準に想定しているほか、計算手法や前提が異なり、需給ギャップ試算値が内閣府より小さく、着実に改善傾向にあると試算しているもよう。

<短観利用した簡易推計では4─6月も需給ギャップ悪化せず>

日銀では、計算の煩雑な需給ギャップの簡易な推定手法として、短観の生産・営業用設備判断DI(業況判断指数)と雇用人員判断DIを加重平均したDIも併用している。グラフにして重ね合わせると、需給ギャップと似通った動きを示すためだ。

加重平均DIは、昨年7─9月期から「不足」に転じ、不足超幅が拡大傾向にある。4月1日の短観に基づいた1─3月の加重平均DIは、不足超幅が6.3と昨年10─12月の5.3から拡大した。

短観の先行きをベースとした4─6月のDIも1─3月と横ばいの6.3だ。加重平均DIが需給ギャップを反映していると仮定すれば、消費増税直後の4─6月も需給ギャップが大きくは拡大しないと推察される。

一方、民間エコノミストの間では「駆け込み需要で1─3月期は需給ギャップが前四半期比1.1ポイント改善するが、4─6月期に1.4ポイント悪化する」(第一生命経済研究所の新家義貴主任エコノミスト)というのが、標準的な見方だ。

需給ギャップは将来の物価上昇圧力をみるための推計の1つ。現在の日銀では、輸出低迷が長引いても、国内の雇用・設備過剰の解消で、物価を押し上げる力が働き、円安やエネルギー価格の上昇による物価上昇圧力が一服しても、物価上昇が持続するとの見方が中心的となりつつある。

もっとも消費増税の影響は、予断を許さない。実質所得の減少がどの程度消費を冷やすのか、4月1日以降の消費動向を丹念にフォローしなければ、はっきりしない面が多い。

仮に消費の落ち込みが政策当局や企業の想定よりも大きくなれば、企業のマインドにも悪影響を与えかねない。

そのことを起点にして、再び雇用・設備の過剰が増え、物価を押し上げる力が弱まるシナリオの現実性は決してゼロとは言い切れない。

日銀はあらゆるデータを収集し、増税後の景気・物価の動向を迅速に把握し、現実の経済・金融情勢がどのように変化してしているのか注視する構えだ。

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