March 18, 2014 / 2:42 PM / 6 years ago

ロシア大統領がクリミア編入条約に署名、米欧は緊急G7開催へ

[18日 ロイター] -ロシアのプーチン大統領は18日、ウクライナ南部クリミアをロシアに編入する条約に署名した。大統領はウクライナの他の地域を占領する考えはないとも強調した。ウクライナ、米欧はこれに反発。米欧は、ロシアへの制裁を強化する構えで、来週の核安全保障サミット中に緊急日米欧主要7カ国(G7)会議を開き、対応を協議する。

3月18日、ロシアのプーチン大統領とクリミアの首脳2人が、クリミアをロシアに編入する条約に署名した。写真はモスクワで同日撮影(2014年 ロイター/Maxim Shemetov)

プーチン大統領は、上下両院議会の合同会議で演説を行い、クリミアで16日実施されたロシアへの編入の是非を問う住民投票で、クリミアとロシアの再統合を望む声が圧倒的多数だったと指摘。「クリミアは、われわれすべてにとり歴史的な重要性を持つ」とした上で「国民の心のなかでは、クリミアはロシアといつも不可分の存在だったし、いまもそうだ」と語った。

議会は今後数日以内に、条約批准に向けた手続きを開始すると見られる。

こうした中、クリミアでは、シンフェロポリのウクライナ軍基地が何者かによる襲撃を受け、兵士1人が死亡した。ロシアが3週間前にクリミア半島を実効支配して以来、同地域での軍事衝突による初の死者となる。

ウクライナ当局は、襲撃者がロシア軍の制服を着ていたと主張。事態を受け軍に身を守るための武器使用を認めた。

<ロシアへの反発強まる>

ウクライナや西側諸国からはロシアへの批判が相次いだ。

ウクライナ危機打開に向けた欧州の主要な仲介役を務めたポーランドのトゥスク首相は、ロシアの動きは国際社会にとって容認できないと批判。英国は、ロシアとの軍事面の協力を停止した。

米国のバイデン副大統領は、ロシアと国境を接する北大西洋条約機構(NATO)加盟各国の安全保障に対するコミットメントを強調するとともに、ロシアがクリミアの編入手続きを進めた場合、欧州連合(EU)と米国はロシアに対して追加措置を講じるとの方針を示した。

米ホワイトハウスは、日米欧7カ国(G7)首脳が来週ハーグで開催される核安全保障サミットの合間に、ウクライナ情勢について協議することを明らかにした。

ウクライナ外務省は、クリミアをロシアに編入させる条約をウクライナとして認めないと表明。「クリミアがロシア連邦に編入されるとの合意書の署名、およびロシア大統領が行った演説は、法律にも民主主義にも常識にも合致しない」と言明した。

英国のキャメロン首相は「ロシアが、偽りの住民投票の結果に基づき、武力をもって国境を変更したことは全く受け入れられない」と批判し、プーチン大統領に「一段と深刻な結果を招く」と警告した。

フランスのオランド大統領は、プーチン大統領の条約署名を非難した上で、20─21日の欧州理事会では「強力かつ協調した対応」が必要になるとの認識を示した。

日本政府も、新投資協定や宇宙協定など三つの新たな日ロ協定の締結交渉開始凍結を含むロシアへの経済制裁を決定している。

<プーチン大統領 クリミア編入の正当性強調>

プーチン大統領は演説のなかで、コソボ問題を引き合いに出し、西側諸国はコソボがセルビアから独立するのは認めたが、クリミアには同等の権利がないと否定するのは偽善だと批判。「同じ物がきょうは黒く、あすは白いなどということはあり得ない」と語った。

またクリミア半島はロシアの聖地であると表現し、西側諸国との対立は望まないとしつつも、制裁を発動した西側諸国は一線を越え、無責任な行動に走ったと批判した。

ウクライナの暫定政権には「ネオナチ、ロシア嫌い、反ユダヤ主義者」が含まれていると非難した。

ドイツに対しては、1990年のドイツ再統一をロシアが支持したように、ドイツもまたロシア国民の再統一への願いを支持するものと確信していると述べた。中国については、ロシアを支持しているとして感謝の意を示した。

プーチン大統領は、ロシアとして、ウクライナの一層の分断を望んでいないと強調。「ロシアが脅威であると説いたり、他の地域もクリミアの二の舞になると吹聴する者たちを信用してはならない。われわれはウクライナの分断は望んでいないし、必要としてもいない」と語った。

NATOがウクライナに勢力を拡大する可能性について懸念を示し「(クリミアにおけるロシア黒海艦隊の拠点である)セバストポリでNATO水兵の出迎えを受けるなどということは、あってはならないことだ」と話した。

<米欧の制裁 エネルギー分野に踏み込むか>

これまで米欧は、ロシアを厳しく非難しながらも、世界経済への悪影響を与えたくないとの考えから、経済的な効果がある制裁に踏み切ることには慎重で、外交努力による解決の可能性を残した。 米欧が今週発表したロシアへの追加制裁は、市場で想定の範囲内と受け止められた。しかし、ロシアは、のびのびになっている民営化計画が、ウクライナ危機でさらに先延ばしされる可能性を示している。

ロシアがクリミア編入に踏み切ったことで、米欧はさらなる制裁を検討する。すでに米欧は、エネルギーや軍関連の契約、プーチン大統領に近い企業家の資産を制裁対象にする構えをみせている。

*内容を追加して再送します。

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