April 8, 2014 / 4:32 AM / 4 years ago

米陪審、武田薬の糖尿病薬めぐり60億ドルの賠償命令

[サンフランシスコ/東京 8日 ロイター] -武田薬品工業(4502.T)が、糖尿病治療薬「アクトス」に発がんリスクがあることを隠していたとして訴えられた裁判で、米ルイジアナ州の連邦地方裁判所の陪審は、武田薬品に60億ドルの懲罰的損害賠償の支払いを命じる評決を下した。

販売で提携する米イーライ・リリー(LLY.N)には30億ドルの懲罰的損害賠償と、補償的賠償として147万5000ドルの支払いを命じた。

武田薬品は、評決を承服できないとし、可能な法的手段を活用して対抗する方針を示した。

東京株式市場の武田薬品株は、一時8.8%下落し8カ月ぶり安値を付けた。

武田ファーマシューティカルズUSAの法律顧問、ケネス・グライスマン氏は声明で「上訴を含め、あらゆる法的手段を通じて異議を申し立てていく」と述べた。

イーライ・リリーはプレスリリースで、武田薬との合意に基づき、訴訟に係る費用および損失は武田薬が負担することになっており、今回の決定については同様に異議を申し立てる所存とした。イーライ・リリーは武田薬と提携して1999─2006年にアクトスを販売した。

4月8日、糖尿病治療薬をめぐる裁判で、米連邦地方裁判所の陪審は、武田薬品に60億ドルの懲罰的損害賠償の支払いを命じる評決を下した。写真は同社のロゴマーク。チューリッヒ近郊で2012年3月撮影(2014年 ロイター/Arnd Wiegmann)

ただ、法律専門家の間では、武田とイーライ・リリー側が争う姿勢を示したことで、今回の賠償額が全額支払われる可能性は低くなったとみられている。

ニューヨーク大学法科大学院のキャサリン・シャーキー教授は、上級審で争われた場合、通常、懲罰的賠償額と補償的賠償額の比率が審理されるが、その比率は9対1までにとどまり、懲罰的賠償が10を超えるべきではないとされていると指摘。その上で、今回のケースでは当該比率が6000を超えていることから、修正される可能性は非常に高いと述べた。

    原告側弁護士のマーク・レニエ氏は、評決の賠償額が判決に反映されるかどうかは不透明で先行きは楽観できないとの認識を示した。

    同氏によると、陪審は、わずか1時間10分で14項目の問題すべてについて被告に責任があると結論づけ、その後45分で巨額の賠償額を決定した。同氏は、判事が被告から迅速な申し立てがなされることを希望しているが、具体的な日程は決まっていないと述べた。

    両社あわせた懲罰的賠償額90億ドルは、エクソンモービルが1989年のバルディーズ号原油流出事故でアラスカ州の陪審が科した50億ドルを上回る。エクソンの事件で最高裁判所は2008年、懲罰的賠償額が「過剰」として最終的に5億ドルの支払いを命じた。このように懲罰的賠償額を限定する判例がでている。

    アクトスをめぐっては、昨年5月、原告が発がんリスクに関する信頼できる証拠を示していないとして、武田薬品に650万ドルの賠償を命じた評決を判事が無効としている。

    *内容を追加して再送します。

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