[台北 22日 ロイター] - 台湾は21日、中国軍機29機が台湾の防空識別圏に侵入したため、台湾空軍機が緊急発進(スクランブル)したと発表した。
中国軍機の侵入はここ2年ほどの間に頻繁に起きるようになっている。
台湾政府は、中国が台湾付近で軍事行動を繰り返すことについて、台湾軍機を度重なる緊急発進で消耗させるとともに、台湾の反応を試すことを目的とした「グレーゾーン」戦争だと批判している。
台湾国防部(国防省)によると、飛来した中国軍機には、戦闘機17機と爆撃機6機のほか、空中給油機なども含まれていた。
発砲はされておらず、台湾の領空は飛行していない。
国防部が示した地図によると、一部の中国軍機は東沙諸島の北東を飛行した。
一方、戦闘機と電子戦機、情報収集機は台湾とフィリピンの間のバシー海峡上を通過して太平洋上空に入った後、同じルートで中国に戻った。
台湾は警告のため戦闘機を発進させ、ミサイルシステムで監視を行ったという。
台湾の呉釗燮外交部長(外相)は22日、中国軍による大規模演習は同国による軍事的脅威が「これまでになく深刻」であることを示していると指摘。「台湾は大国のいじめに対し主権や民主主義を決して放棄しない」とツイッターに投稿した。
米国務省報道官はロイターに対し、中国は「台湾への軍事、外交、経済的な圧力や脅しをやめるべきだ」と述べた。
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