[台北 4日 ロイター] - 台湾国防部(国防省)は4日、立法院(国会)の翌日の来年度国防予算審議に向けた防衛報告書で、中国軍機や軍艦が防空識別圏や台湾海峡の中間線を越える動きや、台湾沿岸地域に接近する動きが「将来、次第に一段と常態化する」と警告した。台湾側が「かつて見られなかったような試練に直面している」とした。報告書コピーをロイターが確認した。
台湾行政院は来年度国防予算で190億ドルと、22年度から2桁の伸び率の増額を要求している。この中には新規のジェット戦闘機の予算も含む。
今年8月のペロシ米下院議長の訪台後、中国軍機は台湾海峡の暗黙の「休戦ライン」である中間線を越境。こうした動きはその後、程度は緩和しつつも日常的に続けられている。
報告書は中国軍の脅しに対し、即応態勢を強化し高度警戒態勢も維持することで「適切に」対抗すると表明。世界の注目がウクライナ情勢に集まっている一方で、中国が軍備を増強し続け、台湾への圧力を高め続けていると指摘した。国防部としては緊急の戦闘用意のため弾薬や兵器部品向け歳出が優先事項になることを望むと強調した。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」