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コラム

コラム:米スターリンクに台湾が「慎重」、アジア展開に足かせも

 1月9日、台湾は、政府が支援する形で人工衛星を利用した通信網整備に向けて準備を進めており、投資家を募っている。写真は2021年4月、スペースXの「ファルコン9」ロケットの打ち上げを前に、フロリダ州ケープカナベラルのケネディ宇宙センターに到着したマスク氏(2023年 ロイター/Joe Skipper)

[香港 9日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 台湾は、政府が支援する形で人工衛星を利用した通信網整備に向けて準備を進めており、投資家を募っている。中国による侵攻を念頭に、ウクライナがロシアとの戦争でイーロン・マスク氏率いる米スペースXの衛星通信サービス「スターリンク」を有効に活用した事例に倣おうという考えだ。

通常なら防衛問題で米国の技術を頼りにしている台湾だが、スターリンクはうかつに使えないと慎重に構えている。マスク氏が最高経営責任者(CEO)を務める米電気自動車(EV)大手テスラにとって中国本土は大事な市場である点を踏まえれば、そうした懸念にも十分な理がある。何しろ中国市場は、テスラの売上高のおよそ25%を稼ぎ出しているのだから。

こうした衛星通信網構築は、戦車などの高額な正面装備ばかり重点的に振り向けてきた台湾の防衛予算をより効果的に運用しようとしている蔡英文総統の取り組みの一環だ。その目的はウクライナがロシアに対して示したような、インターネット環境の維持による「抗堪力」の確保を進めるほかに、商業利用も含まれており、有力な事業となる可能性を秘めている。

日本、韓国、ベトナムもマスク氏と中国について同じような懸念を抱いており、より幅広いアジアの通信システムに発展する余地があるかもしれない。そうなるとスターリンクは東アジアでほとんど地歩を得られなくなってもおかしくない。中国が決してスターリンクの国内利用を認めないとみられるためだ。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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