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タカタが民事再生法申請、負債総額1.7兆円 会長は引責辞任へ
2017年6月26日 / 00:39 / 3ヶ月前

タカタが民事再生法申請、負債総額1.7兆円 会長は引責辞任へ

 6月26日、エアバッグの大量リコール(回収・無償修理)問題で業績が悪化していたタカタは本社と国内連結子会社2社について民事再生法の適用を東京地方裁判所に申請、受理された。写真は都内の記者会見に臨むタカタの高田重久会長兼社長(2017年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 26日 ロイター] - エアバッグの大量リコール(回収・無償修理)問題で業績が悪化していたタカタは26日、本社と国内連結子会社2社について民事再生法の適用を東京地方裁判所に申請、受理された。米国子会社TKホールディングスを含む海外子会社12社も米東部時間の25日、日本の民事再生法に当たる米連邦破産法11条の適用を申請した。欧州、アジアなどでは当事者間の協議による私的整理で再建する。

<製造業で戦後最大の破綻>

タカタが同日公表した負債総額は15社合計で約3800億円(1ドル=111円で換算)だが、最終的な額はリコール費用を負担している自動車メーカー各社との補償合意ができていないとし、再生手続きを進める中で確定する見通し。東京商工リサーチによると、各自動車メーカーが立て替えているリコール費用を含む負債総額は約1兆7000億円になる見込みで、日本での製造業の経営破綻としては戦後最大となる。

タカタの再建は中国の寧波均勝電子傘下の米自動車部品メーカー、キー・セーフティ・システムズ(KSS)が支援する。タカタは問題となったエアバッグ部品のインフレーターなど一部の事業を除き、実質的にすべての事業と資産を1750億円で譲渡することでKSSと基本合意した。2018年3月までに譲渡を完了する予定。

KSSは全世界のタカタ従業員を現在と同等の条件で雇用し、国内製造拠点も維持する方針で、海外での工場や研究開発センターへの投資も計画。両社の事業統合により、世界23カ国に展開する従業員約6万人の自動車安全部品メーカーが誕生する。

タカタは再生手続き開始後の運転資金を確保するため、日系自動車メーカー各社には資金繰りを支援してもらうほか、三井住友銀行からは250億円を上限とする融資(DIPファイナンス)を受ける。

同日午前、東京都内で会見した高田重久会長兼社長は陳謝。事業譲渡までの「適切な時期に経営責任をとって辞任する」と表明した。株式を約6割保有する創業家が今後、株主として残ることも「実質的に不可能」として経営に関与しない意向を示した。

タカタ株は7月27日に上場廃止となり、3本の発行済み社債(300億円が残存)も債務不履行(デフォルト)となる見通し。今後の再生計画の中で弁済率が決まる。

<当事者間の合意困難、米司法取引の支払期限も迫る>

 6月26日、エアバッグの大量リコール(回収・無償修理)問題で業績が悪化していたタカタは本社と国内連結子会社2社について民事再生法の適用を東京地方裁判所に申請、受理された。写真は都内の記者会見に臨むタカタの高田重久会長兼社長(写真手前)(2017年 ロイター/Toru Hanai)

タカタ経営陣は当初、部品の安定供給が維持できるとして関係者間の合意による私的整理を目指していた。高田会長は、同日の会見で、民事再生法という法的整理に至った理由について、「世界各国10社以上の自動車メーカーやスポンサーと合意に達するのは極めて困難だった」とし、「多額の罰金等の負担や一部の報道等による取引状況の悪化、貴重な人材の流出懸念が重なり、取引金融機関の視線も大変厳しいものとなってきた」と語った。

同社の外部専門家委員会の委員長として再建策を取りまとめた須藤英章弁護士は「米国で多くの訴訟が発生しており、私的整理では対応できなくなった」と説明。また、リコール費用が回収困難となる自動車メーカーからは「銀行借り入れや社債についても公平な取り扱いをしてもらわないと株主に説明がつかない」との指摘を受け、利害関係者すべての同意を得る私的整理は「極めて難しい」と判断したという。

再建策のとりまとめを「昨年12月までにするという時間軸」(高田会長)で当初は動いていたが、協議は長引いた。タカタが今年1月に米司法省と合意した総額10億ドルの司法取引のうち、問題のインフレ―ターを購入して損失を被った自動車メーカーへの賠償金などの8億5000万ドル(約940億円)の支払期限が18年2月となっており、法的な手続きに要する時間を逆算すると「もうこれ以上、先延ばしできないという状況になった」(須藤弁護士)ことも急ぐ事情となった。

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<車メーカー各社、リコール費用の大半取り立て不能>

タカタの民事再生法申請を受け、日系自動車メーカー6社は26日、立て替えているリコール費用が「回収不能になる見込み」との見解を発表した。ホンダ、日産自動車、三菱自動車が「大部分が取り立て不能」との見通しを示した。ホンダはリコール費用としてこれまでに約5560億円を計上、トヨタ自動車は、5700億円計上しており、「取り立て不能または遅延のおそれが生じた」とした。

ホンダとマツダは、リコール費用に関する責任割合について「現時点で一部を除き、タカタと合意していない」と説明、今後の法的手続きの中で求償すべき費用を「引き続き主張していく」とした上で、大部分が回収困難との見通しも示した。SUBARU(スバル)は今期以降に実施予定のリコール(未届出分)は追加計上が必要な費用があるとしたが、スバルを除く5社は前期までに乾燥剤なしのリコール費用をすでに引き当て済みで、業績への影響は「限定的」という。

タカタ製エアバッグについては、ホンダが08年11月に米国で初めてリコールし、09年には異常破裂による最初の死亡事故が発生。関連事故による死者は米国で11人、マレーシアなどを含む海外全体で17人、負傷者は世界で180人超に上っている。事態を重く見た日米当局は湿気を防ぐ乾燥剤のないタカタ製エアバッグの搭載車両すべてのリコールを決めた。

タカタはシェア約2割を占める世界2位のエアバッグメーカーで、ホンダ、トヨタ自動車、独フォルクス・ワーゲン、独BMW、米ゼネラル・モーターズ、米フォード・モーターなど世界の自動車メーカー19社に問題のエアバッグが供給されていた。

*内容を追加します。

白木真紀

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