May 17, 2018 / 11:46 PM / 10 days ago

インタビュー:武田薬CEO、シャイアー買収でR&D選別推進

[ロンドン 17日 ロイター] - 欧州医薬品大手シャイアー(SHP.L)の買収に合意した武田薬品工業(4502.T)のクリストフ・ウェバー最高経営責任者(CEO)はロイターのインタビューに応じ、統合に向けて研究開発分野で大胆な事業選別を進めていく考えを明らかにした。

5月17日、欧州医薬品大手シャイアーの買収に合意した武田薬品工業のクリストフ・ウェバー最高経営責任者(CEO=写真)はロイターのインタビューに応じ、統合に向けて研究開発分野で大胆な事業選別を進めていく考えを明らかにした。東京で9日撮影(2018年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

また具体的には示さなかったものの、長期的な視点を持つ投資家から今後支援を得られる可能性にも言及した。

ウェバー氏が円滑な統合実現の処方箋として挙げたのは、計画立案能力やスピードのほかに、資金的余裕のない保険会社や政府などが求める医療における高レベルの技術革新をもたらさない治験薬開発を「間引く」ことに力を注ぐ方針だ。

同氏は「それほど革新的ではない資産に無駄な資源を費やさないのが大事だ」と語り、成功しない開発プログラムを取りやめるか、スピンオフ(分離・独立)させていくつかのバイオ医薬品企業を設立し、出資を続ける方針を表明。特にこうしたスピンオフは過去に10回程度実施した戦略だと付け加えた。

ウェバー氏は、2000年にグラクソ・ウエルカムとスミスクライン・ビーチャムが合併して生まれたグラクソ・スミスクライン(GSK.L)の出身で、医薬品大手同士の統合の難しさは直接経験済み。「モメンタムを維持し、混乱を引き起こさないことが極めて大切になる。われわれは研究開発に成長を依存している」と強調した。

237年の歴史があり、かつて漢方薬を販売していた武田と、1986年にイングランド南部の商店で生まれたシャイアーには、埋めるべき大きな企業文化の差がある。

ただウェバー氏は、シャイアーが基礎研究よりも完成に近い医薬品の開発を重視し、閉鎖が必要な大規模研究施設を保有していない点は重大なメリットだと指摘。「一般的な合併・買収(M&A)よりもずっと混乱が小さくなると思う」と主張した。

武田は統合完了後の3年で少なくとも14億ドルの経費節減効果を生み出すと見込んでおり、削減対象には6億ドルの研究開発費用も含まれる。開発プログラムの重複をなくしたり、合理化することで達成するという。

ウェバー氏は、武田のいくつかの既成薬に対する研究開発投資が終わりつつある点が経費節減効果につながると説明する。それでも現在の両社合計の研究開発費44億ドルから見て、6億ドルを削る影響は大きい。

専門家からは、これだけの規模の研究開発費圧縮が果たして吉と出るか凶と出るかはなお不透明で、社内に何らかの混乱が生じたり、場合によっては人材流出につながりかねないとの声も聞かれた。

武田は今後従業員5万2000人のうち6─7%を減らす計画。このうち研究開発部門の人員は3分の1弱を占める。ウェバー氏も、優秀な人材が出ていくリスクは承知しており、現在人材引き留めのためのプログラムを策定中だと話した。

株主は武田のシャイアー買収をあまり支持していない。それは武田が借金を膨らませていることや、310億ドルのつなぎ融資をどうやって長期的な債務に転換するかはっきりしないからだ。

武田は新会社の純債務について、利払い・税・償却前利益(EBITDA)に対する比率を4─5倍から3─5年で2倍まで減らすと約束し、これは大規模な資産処分や株式の希薄化なしで達成できるとの見方をしている。

ウェバー氏は「借り換えのメカニズムにおいて、われわれは多くの手段を使うが、いずれも希薄化につながらない」と明言した。

同氏は統合計画について株主の間に当初は「不透明感や誤解」があったとしながらも、最近は許容度が改善しつつあると指摘。最終的に計画の妥当性を納得してもらえるとずっと確信していると述べた。

一方で同氏は「政府系ファンドなどの長期的な投資家が(出資してくれる)さまざまな可能性が存在する。長い期間で戦略的、安定的に株を保有してくれる投資家はわれわれにとってありがたい」と語った。

*見出しを修正しました。

    0 : 0
    • narrow-browser-and-phone
    • medium-browser-and-portrait-tablet
    • landscape-tablet
    • medium-wide-browser
    • wide-browser-and-larger
    • medium-browser-and-landscape-tablet
    • medium-wide-browser-and-larger
    • above-phone
    • portrait-tablet-and-above
    • above-portrait-tablet
    • landscape-tablet-and-above
    • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
    • portrait-tablet-and-below
    • landscape-tablet-and-below