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コラム

コラム:日米中銀、「様子見」長期化か 米中交渉が市場の主役に

[東京 12日 ロイター] - 米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果や雨宮正佳・日銀副総裁の講演内容から判断すると、米連邦準備理事会(FRB)と日銀は今後しばらくの間、現在の金融政策の効果を見極めつつ、内外の経済情勢の変化に対応するスタンスを維持しそうだ。わかりやすく言えば「様子見」の構えが長期化する。市場の注目点は、金融政策から米中交渉へと明確にシフトしそうだ。

12月12日、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果や雨宮正佳・日銀副総裁の講演内容から判断すると、米連邦準備理事会(FRB)と日銀は今後しばらくの間、現在の金融政策の効果を見極めつつ、内外の経済情勢の変化に対応するスタンスを維持しそうだ。写真は日銀本店前で2015年6月撮影(2019年 ロイター/Toru Hanai)

11日に公表されたFOMC声明やパウエルFRB議長の会見、ドット・チャートなどの資料をみると、FRBはしばらく現在の金融政策を維持し、過去3回の利下げの効果を見極めるスタンスを明確にしたと言っていいだろう。

米中通商交渉の決裂と関税引き上げ実施というリスクシナリオが現実化しなければ、FRBにとってかなり異例となる「政策維持」の長期化が展開される可能性が高い。パウエル議長が会見で「利上げにはインフレ率の大幅かつ持続的な上昇確認が必要」と述べ、利上げへのハードルを大幅に引き上げているからだ。

<増税後の消費、日銀が初の公式見解>

一方、日銀の雨宮副総裁は12日に岡山市で、消費増税後の個人消費の動向について初めて公式に表明。「10月以降の消費関連統計は、やや大きめの減少を示しているが、(中略)特殊要因も影響しているとみられる」と指摘し、台風などの自然災害の影響があり、それを除くと「反動減は前回ほど大きくない」という現時点での判断を示した。

ただ、民間エコノミストの中には、台風被害の影響を除いても、消費の力は弱いと分析もあり、雨宮副総裁は「人々のマインドや物価動向などによって変わりうることから、引き続き注視する必要もある」と付け加えた。

消費の減速リスクに対しては、政府が発表した財政支出13兆円の経済対策の効果がいずれ出てくるため、景気の腰折れリスクが表面化するような状況ではないとの見方が日銀内では多い。

12日の講演で、雨宮副総裁は「物価安定の目標に向けたモメンタムは引き続き維持されている」と指摘。現行の金融政策の効果を見守っていくという姿勢をにじませた。

<市場が懸念する米関税引き上げシナリオ>

このようにみてくると、2020年の日米の金融政策は、少なくとも半年程度、現行政策が維持される公算が高まったのではないか。ただ、それには米中通商交渉が決裂しないという前提条件がある。

言い換えれば、日米中銀の政策変更の可能性をめぐる思惑から、米中通商交渉の結果へと市場の最大関心事がシフトすると予想する。

トランプ米大統領は、12日に米政府関係者と交渉方針について協議すると伝えられている。その結果が判明するのは間もなくだが、以下に3通りのシナリオを提示する。

Aパターンは、米中が「第1弾合意」に達し、リスクオン心理が台頭するケース。日米とも株価上昇が期待されるが、13兆円の財政支出を伴う経済対策を打ち出した日本では、日経平均.N225が大幅に上昇。年末に2万5000円を回復する可能性も出てくるだろう。ドル/円KPY=EBSも110円台から一段の円安を視野に入れる展開になる。

Bパターンは、合意に達しなかったものの、交渉の継続が打ち出され、「越年」するケース。日経平均はいったん利益確定売りに押され、2万2000円台に下落すると予想。ドル/円は108円台を中心に小動きとなる。

Cパターンは、米中交渉が決裂し、米国が1560億ドル規模の中国製品に対し、高率関税の賦課を決定する展開。市場は予想外として大きく反応し、リスクオフ心理の台頭で株安・円高が進む。日経平均は2万1000円を割り込み、ドル/円も105円をめぐる攻防が視野に入ってくる。

市場では、Bパターンを予想する見方がじわじわと広がりを見せているという。AとBの展開であれば、日米の金融政策は半年を経過しても、さらに維持される期間が延長されるとの見方が強まっているだろう。

この見方を覆すのは、予想されない金融危機の発生だろうが、現段階でその場所や時間を特定することは困難だ。

2020年は日米金融政策の存在が「脇役」になる可能性が高まっていることだけは事実だ。

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編集:石田仁志

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