[ワシントン 20日 ロイター] - 米上院司法委員会は20日、アマゾンやアルファベット傘下のグーグルなどIT大手がそれぞれのウェブサイト上で自社事業を優遇することを禁止する法案を承認した。法案に反対するIT大手トップから議員らに働き掛けがあったことも明らかになった。
可決されたのはエイミー・クロブシャー議員(民主)とチャック・グラスリー議員(共和)が提出した法案の修正版で、適用対象企業が拡大されて動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」などが新たに含まれたほか、米政府が国家安全保障上のリスクとみなす企業とデータを共有する必要はないと明記された。
共和党のテッド・クルーズ議員は同委で、アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)から19日に、この法案について「重大な懸念」があるとの話があったと明らかにした。
クロブシャー氏も採決後、クック氏とグーグルのスンダー・ピチャイCEOと話をしたと述べた。「この法案を好ましいとは決して思わないだろう」とし、修正にはオープンだが骨抜きにはしたくないと語った。
コーウェン・ワシントン・リサーチ・グループは同法案は司法委で承認されたものの、成立する確率は50%未満だと指摘した。
米議会では巨大IT企業が過剰な影響力を乱用しているとの批判がある中、抑え込みを狙った多数の法案が提案されているが、成立したものはない。
リチャード・ブルーメンソール上院議員(民主)とマーシャ・ブラックバーン上院議員(共和)が提出した、強大な市場支配力を持つアプリストアを取り締まる法案「オープン・アプリ市場法」の採決も予定されていたが、保留された。
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