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焦点:グーグルと欧州メディア、「広告独占」で熾烈な攻防

[オークランド(米カリフォルニア州) 30日 ロイター] - 欧州のメディア各社が米アルファベットGOOGL.O傘下グーグルによるニュース読者の個人情報収集を阻止し、オンラインのターゲット広告での独占地位を崩そうと画策、グーグルがこれをひっくり返していたことが分かった。関係者7人が明らかにした。

6月30日、欧州のメディア各社が米アルファベット傘下グーグルによるニュース読者の個人情報収集を阻止し、オンラインのターゲット広告での独占地位を崩そうと画策、グーグルがこれをひっくり返していたことが分かった。写真はGoogleのロゴ。チューリヒで7月1日撮影(2020年 ロイター/Arnd Wiegmann)

メディア企業のこうした動きや攻防はこれまで報じられていなかった。

グーグルも加入するメディア業界団体「欧州インタラクティブ広告協議会(IAB)」は8月15日に個人情報保護のための「透明性と同意の枠組み(TCF)」を発効させる予定だった。

TCF導入のきっかけは、欧州連合(EU)による2年前の「一般データ保護規則(GDPR)」の導入だ。この規則は、企業に個人情報の取り扱いに際してユーザーの同意を得ることなどを義務づけている。TCFには、企業すべてが消費者から適切な承認を得ることを徹底する狙いがあった。

しかしグーグルは、そうした措置が取られるなら、メディア企業との広告取引を打ち切る構えだ。話し合いは続いているが、グーグルの優位は否めない。広告ツールだけでなく、年間1000億ドル規模のバナー広告市場においても広告主らへのアクセスを独占しているからだ。

広告向けソフトでグーグルと競合するS4Mの法務担当、Thomas Adhumeau氏は「基本的には(グーグルからの)期待を成し遂げなければ、市場から締め出される。グーグルなしではビジネスが回らないようになっている」と話す。

論争になっているのは、ユーザーに対するターゲット広告の表示とユーザー個人情報の収集を一つのパーミッション(同意)で行うか、二つに分けるか、という点だ。

IABのタウンゼント・フェーハン最高責任者(CEO)によると、IABは昨年、それまで一括していたパーミッションをふたつに分けるよう求めることで合意した。

さらに、一部のウェブサイトやアプリは、個人情報収集のパーミッションをなくすことを計画。そうすればグーグルは個人情報の蓄積が難しくなる。

これに対し、グーグルは現在、TCFが発効する際には、ターゲット広告表示と個人情報収集の両方が許可されなければならないと主張している。

グーグルの言い分について、欧州の主要メディア企業で構成する「欧州出版社評議会(EPC)」のアンジェラ・ミルズ・ウェード議長は「(IABで)合意したことと相いれない」と批判する。

一方、グーグルのシニア・プロダクト・マネジャーのチェトナ・ビンドラ氏は、TCFを巡るグーグルの方針は現状を維持することだと主張する。

許諾分離を主張しているのは、広告ソフトメーカーのメディアマスなどグーグルの競合企業。しかし、そうなるとメディア企業は大量の広告を諦めなければならなくなる。

特に不満を表明しているのがドイツのアクセル・シュプリンガーSPRGn.HとノルウェーのシブステッドSBSTA.OL。シブステッドの個人情報責任者、イングビルト・ネス氏は「我々がデータをどう取り扱うべきかを大手企業が規定しようとしているのを懸念する。最終的に特定の企業がゲートキーパー(門番)になるなら問題だ」と語る。

いまや数百万の提携ウェブサイトが広告を表示したり、読者の位置情報や特徴、どんなページやコンテンツにアクセスするのかを追跡したりする上でグーグルが使うソフトウエアに依存している。こうした豊富な個人情報によって、広告主はユーザーがオンラインを閲覧する際に特定ユーザーに向けたターゲット広告を表示することができる。

メディア企業は、読者数の大小に関わらず、グーグルが取得・蓄積する個人情報の大きさに対応するうえで、苦労している状態だ。グーグルが個人情報量で引き寄せる比類のない数の広告主にアクセスするためには、メディア企業はグーグルと売上高を分け合う必要もある。

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