[幕張(千葉市) 24日 ロイター] ソニー6758.Tのゲーム子会社、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の平井一夫社長は24日夕、ロイターのインタビューに応じ、苦戦の続くゲーム事業について、来期にも黒字化を目指す意向を明らかにした。
今期のゲーム事業は4年連続の営業赤字になる見込みだが、「黒字化は私の使命」と述べ、積極的なコスト削減や売り上げ増加を狙って早期の実現を図る考えを示した。
9月から発売した「プレイステーション3」の新型機は、価格引き下げが効果を発揮し、発売から3週間で全世界の販売が100万台を突破した。
プレステ3の2010年3月期の販売計画は前年比29%増の1300万台だが、平井社長は「年初から価格改定は織り込んでいたが、新型プレステ3の滑り出しが好調。目標に向けていい手応えを感じている」と述べた。
今期の計画達成に鍵を握る年末商戦については「これからソフトのラインナップが続々と発売されるので、相乗効果によって力強い結果が得られると思う」と語った。
ただ、任天堂7974.OSも10月から家庭用ゲーム機「Wii」を値下げするほか、マイクロソフトMSFT.Oの「Xbox360」も今月10日から高機能機種の価格を引き下げた。平井社長は「(ソニーの今期の販売に)まったく影響がないことはないが、他社が値段を下げるということに対して、目標が上下することはあまりない。それよりもプレステ事業としてユーザーにどのように評価してもらえるかが大事だ」と強調した。
ソニーの今期のゲーム事業は4期連続の営業赤字になる見込み。黒字化の見通しについて平井社長は「なるべく早く黒字化するのは私の使命。積極的にコストカットできるところはして、売り上げを伸ばせるところは伸ばす。ただ、将来に向けて投資もしなければならない。このバランスを取りながらなるべく早く黒字化する」と述べた。その上で「できれば来年度にも黒字化したい」と語った。
(ロイター日本語ニュース 村井 令二)