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NECが携帯電話出荷2.7倍狙う、スマホと海外で立て直し

 6月2日、NECは2012年度の携帯電話の出荷台数を10年度実績比2.7倍の1200万台に引き上げる計画と発表した。写真は同社本社で5月撮影(2011年 ロイター/Yuriko Nakao)

 [東京 2日 ロイター] NEC6701.Tは2日、パーソナルソリューション事業の説明会で、約7割出資するNECカシオモバイルコミュニケーションズ(川崎市)における2012年度の携帯電話の出荷台数を10年度実績比2.7倍の1200万台に引き上げる計画と発表した。

 スマートフォンと海外市場での売り上げ拡大を図るとしている。

 主に携帯電話とパソコンで構成するパーソナルソリューション事業は、12年度に前年度比17%増の売上高9000億円に引き上げ、19億円の赤字だった営業損益は11年度に150億円、12年度に200億円の各黒字に改善させる計画。9000億円のうち5000億円がスマートフォンを含めた携帯電話、4000億円が法人向けのパソコン・その他の内訳で、利益の多くは携帯電話事業から生み出すとしている。タブレット端末は12年度までに累計100万台超の売り上げを狙い、13年度以降に海外展開を中心とした事業拡大に踏み出す。

 NECの携帯電話事業は、カシオ計算機6952.Tと日立製作所6501.Tによる共同出資会社と昨年6月に事業統合したが、NEC単独の携帯電話事業としてみると、06年度に海外市場から撤退している。海外へ改めて本格進出する理由について、国尾武光・執行役員常務は、今年3月に国内市場に投入した世界最薄のスマートフォンに触れ、「薄型軽量やタフネスの強みは利用者に受け入れられると確信し、海外に出るチャンスが出てきた」と説明した。

 12年度には海外市場で500万台の携帯電話の出荷を目指す。ただ、1200万台の全出荷目標を達成しても、世界市場でのシェアは1%程度。国尾常務は、「グローバルで生き残っていける足掛かりを12年度までに作りたい」と話した。現在、北米の通信事業者の2社と、欧州の2社と商談をそれぞれ進めているという。10年度に10%弱だったスマートフォンの出荷台数の比率は11年度に50%、12年度に70─80%に高める計画。

(ロイターニュース、浜田健太郎)

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