[ベルリン 1日 ロイター] 米グーグルGOOG.Oがモトローラ・モビリティーMMI.N買収を決めたことに対し、グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を用いたスマートフォンを生産しているメーカーは、動揺する気配を見せていない。
モトローラ・モビリティー買収の主な目的は「アンドロイド」を特許関連訴訟から守ることにあり、競争上の脅威にはならないとみているためだ。
ソニー・エリクソン6758.TERICb.ST、宏達国際電子(HTC)2498.TW、エイサー2353.TWなど「アンドロイド」端末を生産しているメーカーは、ベルリンで開催される国際コンシューマエレクトロニクス展(IFA)の事前イベントでロイターに対し、グーグルによるモトローラ・モビリティー買収によってアンドロイドに関する計画を変える考えはない、と明らかにした。
モトローラ・モビリティー買収の発表で、アンドロイドを用いたスマートフォンメーカーの一部が、他のプラットフォームに変更するのではないかとの懸念も広がっていた。
それに対し、HTCの欧州・中東・アフリカ部門責任者であるFlorian Seiche氏は、ロイターのインタビューに対し「グーグルは主にアンドロイドを守ろうとしている。彼らが求めているのは特許だ」と語った。
グーグルや、HTCをはじめアンドロイドを採用しているスマートフォンメーカーは、アップルやAAPL.OマイクロソフトMSFT.Oなどから数多くの訴訟にさらされている。
グーグルはモトローラ・モビリティー買収を通じ、数多くの特許を手にすることができる。グーグルは破綻した通信機器大手ノーテル・ネットワークスの特許入札で、マイクロソフトMSFT.OやアップルAAPL.Oに競り負け、特許に関するポートフォリオを構築する必要性に迫られていた。
ソニー・エリクソンの製品マーケティング責任者、ニコラウス・シューラー氏は、ロイターとのインタビュで―「われわれにとって、アンドロイドのシステムを守ることが重要だ」とした上で、「グーグルはハードウエアのメーカーにはならないことを確認した。世界のアンドロイド市場におけるモトローラのシェアは15%前後だと思われる。それが残りの85%のビジネスを脅威にさらすと考えるのは妥当でないことには、誰もが同意するだろう」と語った。
エイサーのドイツ部門責任者であるステファン・エンゲル氏は、同社がアンドロイド端末の生産を継続するとした上で、グーグルによるモトローラ・モビリティー買収がエイサーのソフト戦略に影響を及ぼすことはないと述べた。