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東芝がWHへ新たな資金負担、共同出資の米社が株買戻し要求

 9月6日、東芝が2006年に買収した米原子力大手ウエスチングハウス(WH)をめぐる懸案が表面化した。都内の東芝本社前で2009年1月撮影(2011年 ロイター)

 [東京 6日 ロイター] 東芝6502.Tが2006年に買収した米原子力大手ウエスチングハウス(WH)をめぐる懸案が表面化した。複数の関係筋によると、WH株を20%保有する米エンジニアリング大手のショー・グループSHAW.Nが、東芝に対してWH株を売る権利(プット・オプション)行使の方針を決め、その受け入れを求めている。

 東芝の佐々木則夫社長は4月、報道陣に対し「オプションの行使は絶対にないと思っている」と強調したが、思惑が外れた格好だ。 

 今後、ショーの要求に応じて東芝がWH株20%を引き取る場合、1000億円規模の資金が必要になるとみられ、WHに既に67%出資する東芝にとって追加取得は戦略性が希薄な出費といえる。東京電力9501.T福島第1原子力発電所の事故に伴う原発ビジネスへの逆風が吹く中で、ショー持ち分を引き受ける新たな出資パートナーを得られるかどうかも不透明だ。6日の東芝株は、新たな財務負担の浮上が嫌われ前日比16円安、5.1%下落の297円と年初来安値を更新して取引を終えた。 

 <原発事故で懸念の声> 

 WH買収は三菱重工業7011.T、米ゼネラル・エレクトリックGE.N・日立製作所6501.T連合とのし烈な競争となり、金額が高騰。06年10月の買収完了時点で、出資企業を含めた買収総額は54億ドル(当時の為替レートで約6400億円)に上った。東芝は当初、出資比率を50%台前半に抑える予定だったが、20%資本参加する方向で調整していた丸紅8002.Tが出資を断念し、5%程度を出資する意向を示した住友商事8053.Tも結局見送るなど、出資パートナーの確保に苦労した経緯がある。

 WH株主間の協定には、東芝以外の出資者がWH株を東芝に売るオプションがある。その存在は市場関係者には知られており、福島原発における事故発生の余波で「東芝の新たな負担になるのでは」と一部で指摘されていた。東芝の佐々木社長は4月、ロイターなどのインタビューで、ショーのオプションに関する観測について、「(ショーとは)中国や米国で(WH設計の原子炉)AP1000を一緒に受注しており、その商権を逃してまでプット・オプションを行使すればショーのリスクになる」などと語り、行使はないとの見方を示していた。

 東芝によると行使期限は2013年2月末で、今年4月時点では4年後をめどにこれを延長する方向で交渉していた。東芝側の期待に反してショーがこのオプションの行使に動いたことは、買収金額の大きさが出資企業の負担となっていることことの表れと言えそうだ。東芝が買い取りに応じる場合、1000億円程度とみられる資金は主に銀行借り入れで賄う方向という。マッコーリー証券アナリストのトン・ダミアン氏は今回の買い取り請求について「東芝が買い取り資金を銀行借り入れで調達することが大きな問題とは思わないが、追加の負担であることに変わりはない」と指摘している。

 (ロイターニュース、浜田健太郎)

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