[東京 21日 ロイター] HOYA7741.Tの鈴木洋CEO(最高経営責任者)は21日、ロイター・テクノロジー・サミットの席上で、事業ポートフォリオの分散化を図るため、10億─50億ドル(約1000─5000億円)規模のM&Aを仕掛ける必要があるとの認識を示した。
鈴木CEOは「(手元の)現金が15億ドル(約1500億円)というのは多過ぎる。今後2─3年でかなりの規模の買収をやっていかないといけない」と述べた。現金と借入金による買収を想定しているという。
07年に買収したペンタックスにおける改革は「7割ぐらい完了した」との認識を示した。残る3割は「社員の意識や社風を変えること。余剰人員の削減を考える必要もある」とし、要員の調整に時間がかかると述べた。人員削減の規模は「それほど多くない」としたが、詳細の言及は避けた。
08年1─3月期業績では、光学レンズ事業で数量・単価ダウンがあるなど苦戦した。鈴木CEOは、一眼レフ向けレンズはキヤノン7751.T、ニコン7731.Tの2強との取引に注力すると説明。携帯電話端末向けレンズは「あきらめた」(鈴木CEO)とし、生産能力を次世代DVDであるブルーレイディスクのピックアップレンズの生産に振り向けるとした。
(ロイター日本語ニュース、平田 紀之)