[東京 29日 ロイター] 米投資ファンドのカーライル[CYL.UL]が、PHSを手がける通信会社ウィルコム(東京都港区)の増資を計画していることがわかった。複数の関係筋がロイターに明らかにした。ウィルコムは外部から資金を調達し、高速通信を可能にする次世代PHSの導入に振り向ける。
カーライルはウィルコム株60%を保有する筆頭株主。今回の増資の財務アドバイザー(FA)はメリルリンチMER.Nが務める。
ウィルコムは07年12月に次世代高速無線通信の免許を取得した。09年4月に次世代PHSの試験サービスを開始し、10月には商用サービスに乗り出す。通信網の整備などで、2015年までに2000億円を投じる方針。
カーライルは04年、京セラ6971.Tとともにウィルコム(当時はDDIポケット)株をKDDI9433.Tから2200億円で取得した。ウィルコムの現在の株主構成はカーライル60%、京セラ30%、KDDI10%となっている。
カーライルは当初、ウィルコム株を上場する計画で、大和証券SMBCとモルガンスタンレー、メリルリンチを主幹事に選定していた。しかし株式市場の低迷が続いたことから上場を延期していた。
(ロイターニュース 藤田 淳子)