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三洋電、2010年度にも薄膜太陽電池を量産化=執行役員

 [大阪府貝塚市 23日 ロイター] 三洋電機6764.Tの前田哲宏・執行役員ソーラー事業部長は23日、ロイターのインタビューに応じ、今後の主流として期待される薄膜太陽電池について、2010年度にも量産化を目指す考えを明らかにした。

 前田執行役員は、薄膜型への参入では、太陽光線を電気に変える変換効率が「どれだけ早く10%を超えるかが勝負」としている。 

 <薄膜型、HIT太陽電池でのノウハウ転用> 

 三洋電機は、変換効率が19.7%(量産段階)と業界最高水準の「HIT太陽電池」を製造している。HIT太陽電池は面積当たりの発電量が大きいため、設置面積が限られる住宅の屋上などに向く。これに対し、薄膜太陽電池は原材料であるポリシリコンの使用量を大幅に減らすことができるため、コスト低減が見込めるが、変換効率は低い。このため、発電所など大規模な施設への導入に適しているとされる。前田執行役員は、事業化に踏み切る目安は量産レベルで変換効率10%を達成することとし、「2010年度に10%レベルを量産できる水準に持っていきたい」と述べた。 

 薄膜太陽電池は、シャープ6753.Tが、葛城工場(奈良県)で生産し、2010年3月までに堺市で稼動させる新工場で大規模な事業展開に乗り出すほか、事業化を進めたり研究開発に取り組む企業が国内外に多数ある。前田氏は、HIT太陽電池から薄膜型へ転用できる技術があり、「ノウハウの蓄積が我々の優位性になる」と述べ、本格参入時に競争が激化しても、他社との差別化は可能との認識を示した。 

 <08年度は上期好調で業績上振れ> 

 前田執行役員は、2009年3月期における太陽電池事業の業績見通しについて、「利益は当初の計画に比べプラスが出ると思う」と述べた。同事業の09年3月期売上高見通しは前年比19.2%増の867億円で、利益見通しは公表していない。足元の事業環境は、「上期は計画に比べ良かったが、下期は厳しい」(前田氏)としている。上期は、4─6月期の売上高が前年同期比50%増で、7─9月期も好調を持続しているという。 

 下期は、1)ドイツとともに欧州市場をけん引してきたスペインで、政策的な理由で市場規模が一時的に縮小、2)対ユーロの円高、3)原料ポリシリコンの高止まり--といったマイナス要因がある。スペインでは、太陽電池で発電した電力を電力会社が長期にわたり高値で買い取る「固定価格買取制度」の適用容量を半年程度大幅に縮小するため、その余波で欧州での需給バランスが緩む見通しだ。三洋電機は、上期での好調に加え、歩留まり向上や生産効率化などにより、通期は計画対比での利益増を狙うとしている。 

 (ロイター日本語ニュース、浜田健太郎記者、竹中清記者)

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