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インタビュー: 太陽電池は補助金復活で国内好調=京セラ

 [京都 19日 ロイター] 京セラ6971.Tの久芳徹夫社長は19日、ロイターとのインタビューで、太陽電池事業については国内市場の引き合いが活発だと述べて「今期は国内販売を大きく伸ばす」との意向を示した。

 今年1月に太陽光発電システムへの補助金が復活してから好調が続いており、京セラによると、2009年1―4月の国内での住宅用システムの納入実績は前年よりも約1.5倍の規模になった。また、スペインの急激な落ち込みが予想されている欧州市場についても「1―3月まで悪かったが少しずつよくなる兆候はみえてきた」との見方を示した。

 京セラの太陽電池は、5月18日にトヨタ自動車7203.Tが発売した新型「プリウス」に搭載するオプションに採用された。久芳社長は、他の自動車メーカーへの太陽電池の供給について「現在はない」としたが、将来的にはあり得るとの考えを示した。

 一方で、赤字が続く携帯電話事業は2011年3月期には黒字化させる考えを示した。足元の電子部品の受注状況は「デジタル家電用(の電子部品)が1―3月と比べてだいぶ良くなった」とした上で、7―9月はさらに上昇していくだろうとの見方を示した。 

 インタビューの詳細以下のとおり。 

 ――太陽電池事業の足元の受注動向はどうか。 

 「国内では追い風が吹いている。政府の補助金が復活したほか、FIT(太陽光発電の買い取り制度)も計画されているし、学校(への設置)もあるためだ。(引き合いや受注は)昨年とはぜんぜん違う。活発に動いている。国内は大きく伸ばしたい」 

 ――国内の太陽電池事業では、イオン8267.Tと提携して秋に2店舗で販売しようとしている。家電量販店なども太陽光の取り扱いに力を入れているようだが、他の小売業者と組む考えはあるか。  

 「(イオン以外のリテール業者との提携は)今は考えていない。イオンでの販売が秋から始まって、その様子をみてからだ。まずはイオン店舗での販売を広げてもらうのも大事だ」 

 ――トヨタの新型「プリウス」に京セラの太陽電池が搭載される。他の自動車メーカーにも太陽電池の供給を考えているか。 

 「今はプリウスだけ。他の自動車メーカとの話は現在はない。ただ、将来的にできないことはない。(トヨタとの契約で)縛られていることはない」 

 ――欧州の太陽電池市場はスペインのバブル崩壊で厳しさが予想されているが、京セラの販売の動向はどうか。 

 「厳しい。しかし少しずつよくなる兆候はみえてきた。欧州では(太陽光発電の)需要に対して供給が足りない。われわれの太陽電池は結晶系で効率がいいし耐久性が高いので売り先を探せばまだまだある。欧州も1―3月に落ち込んだが少しずつ上がってきている。売り先は小口が多い。大口を狙ったほうがやりやすいが(発電プロジェクトなど)大きなところは縮小しているので家庭や会社の屋根など小口のところを開拓している。スペインがダウンしたので、ほかの国にたくさん売ろうと考えている」

 ――足元の電子部品の受注の状況はどうか。 

 「デジタル家電用の部品が1―3月とくらべてかなりよくなってきたが、産業用部品の回復度合いは重い。デジタル家電用の部品は7―9月にはさらに上昇していくのではないか。しかし夏以降秋にかけてどうなるかが一番の課題だ。イメージとしては1―2月を底にどんどん上昇していく状況だが、上期の終わりにも一服があるのかなとも思う」 

 ――産業用部品の回復の兆しはみえるか。 

 「ない。今年一杯は非常に難しいと思う。半導体メーカーの一部では稼働率がずいぶん上がってきていると聞くが、まだまだ高い状態ではない。稼働率が上がらないと設備投資につながらない」 

 ――携帯電話事業は10年3月期で2期連続の赤字の見通し。昨年4月に三洋電機の部門を買収して、営業や開発の統合を進めてきたが、黒字化のめどは。

 「携帯の販売は、客(通信会社)に提案して売り上げになるまで1年かかる。このため今年4月までに打った手が効果を出すのは来年になる。来年にはいろいろな効果が反映される。来期こそは確実に黒字化したい」 

 ――高機能に強い三洋の携帯部門を統合したことで、スマートフォンの開発は考えているか。 

 「アメリカではスマートフォンはひとつのシェアを占めているので。われわれも、そういうことにトライしていかなければいけないと考えている」 

 ――海外での携帯販売は北米展開だが、中国市場の拡大をどう考えるか。中国での販売は一度撤退したが再挑戦する意向はないか。 

 「今は考えていない。今の日米の市場で収益を出さないと販路を広がることばかり考えても仕方がない。もちろんいろいろなチャンスが将来にあるかもしれないが、今のところを改善してからだ」 

 (インタビュアー 村井令二、根岸真由美)(ロイター日本語ニュース 村井 令二)

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