[東京 30日 ロイター] - 任天堂 7974.Tが30日発表した2014年4─6月期の連結業績は、売上高が前年比8.4%減の746億円、営業損益が94億円の赤字(前年同期は49億円の赤字)だった。前年同期に比べ、「3DS」のハード・ソフトとも販売が減ったため赤字が拡大した。
4―6月期の「WiiU」ハードの販売は51万台(前年同期は16万台)、ソフトの販売は439万本(同103万本)。5月に有力ソフト「マリオカート8」を投入し、ソフトがけん引する形でハード販売が伸びた。
一方で、4―6月期の3DSハード販売は82万台(同140万台)で、関連ソフトは857万本(同1101万本)。「ルイージマンション2」などのソフトで比較的堅調だった前年よりも販売が下がった。
今後、年末商戦に向けて、ゲーム連動型フィギアの「アミーボ」を投入するなどWiiUの販売に勢いをつけていく。また、3DSも、6月から海外で「トモダチコレクション」を投入し、秋に「大乱闘スマッシュブラザーズ」「ポケモン」の発売を控え、下期以降に巻き返したい考え。
また、4―6月期の当期純損益は99億円の赤字(同86億円の黒字)だった。3月末に比べて6月末は円高が進行し、外貨建て資産の評価替えで50億円の為替差損を計上。前年6月末には169億円の為替差益を計上したため、一転して最終赤字となった。
通期の営業損益予想は、400億円の黒字(前年同期は464億円の赤字)計画を据え置いた。また、WiiUの360万台(同272万台)、3DSの1200万台(同1224万台)の通期計画も変更していない。WiiUの逆ざや(製造費が販売価格を上回る損失)は、今期発売分の引き当て処理が済んでいるため販売しても赤字は発生しないため、今後のハード拡大で利益増を図りたい考え。
*内容を追加しました。
村井令二
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