[31日 ロイター] -31日の米株式市場で、オンライン小売り大手アマゾン・ドット・コムAMZN.Oの株価が9%以上急落している。前日発表した第4・四半期決算で純利益が市場予想を下回ったほか、第1・四半期に営業赤字に転落する恐れがあるとの見通しを示したことが嫌気されている。
少なくとも証券会社7社がアマゾンの目標株価を引き下げる一方、別の7社は目標株価を引き上げた。引き下げにより目標株価は最低415ドル、引き上げにより最高500ドルとなっている。
中盤の取引では、9.3%安の365.5ドルをつけた。アマゾン株価は過去半年で30%以上値を上げている。
アマゾンは第1・四半期の営業損益について、2億ドルの赤字から2億ドルの黒字のレンジ内との見通しを示した。前年同期は1億8100万ドルの黒字だった。
アナリストは見通しは幾分控えめであり、同社が成長機会や新戦略への積極投資に注力していることを反映していると指摘している。
ベンチマークのアナリスト、ダニエル・カーノス氏は「電子図書館や配送センターなどに関連した社内投資に加え、同社は『アマゾン・プライム』サービスの成功により、利益率への圧力が一段と高まる可能性がある」と指摘した。
同社は年会費79ドルで商品を2日以内に配送する「アマゾン・プライム」サービスを提供しており、これがオンライン販売の押し上げに貢献してきたとみられている。
ただ燃料費・輸送コストの上昇や利用増加を受けて、同社は米国で20─40ドルの値上げを検討していると明らかにした。
アナリストは値上げにより、価格面で消費者へ訴求力を失うことなく、年間売上高を6億ドル程度押し上げる可能性があるとみている。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」