[サンフランシスコ 20日 ロイター] 米アップルAAPL.Oのティム・クック最高経営責任者(CEO)と、韓国サムスン電子005930.KSの崔志成(チェ・ジソン)CEOが21日、泥沼の特許訴訟をめぐり、米国の裁判所の仲介を受けて和解協議に入る。
両社はハイエンドのスマートフォン(多機能携帯電話)で激しいライバル関係にあり、訴訟の結果次第では、勝者が市場で決定的な優位を得る可能性がある。
アップルは、サムスンが米グーグルGOOG.OのOS「アンドロイド」を搭載した製品で「iPhone(アイフォーン)」と「iPad(アイパッド)」を「猿まね的に」コピーしていると主張。サムスンも、アップルが特許を侵害しているとして反訴した。
今回の和解協議は、米カリフォルニア州サンノゼの地区連邦地裁で7月に本格的な審理が始まるのを前に設定され、2日間にわたって行われる。担当するのは、複雑な事案を処理する能力に定評のあるジョセフ・スペロ判事。
米国の裁判所では、民事訴訟で当事者に和解を促す傾向が強まっている。
崔CEOに同行するサムスンのある幹部は20日、渡米を前に、「依然としてアップルとの特許訴訟では大きな意見の隔たりがあるが、クロスライセンスを含め、いくつかの交渉の余地がある」と述べた。
裁判所の資料によると、両社は既に少なくとも1回の和解協議を行っているが、クックCEOと崔CEOが出席したかは不明。
アップルの広報担当者は、「あからさまなコピー製品」に対して自社の知的財産を保護する必要がある、とする従来の主張を強調した。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」