[大阪 24日 ロイター] 日本電産6594.OSは24日、2013年3月期の連結営業利益予想(米国会計基準)を従来の950億円から前年比9.5%増の800億円に下方修正すると発表した。世界経済の減速懸念が出ている中で、主力のハードディスクドライブ(HDD)向けモーターなどの販売減を見込んだ。
大阪市内での決算会見で永守重信社長は「世界経済が明らかに減速している」と述べた上で、中国市場における反日デモの今後の影響についても「楽観的な見方はしていない」との考えを示した。
トムソン・ロイター・エスティメーツによると、アナリスト22人が過去90日間に出した営業利益予測の平均値は886億円で、会社予想はこれを下回った。通期連結売上高予想は従来の7800億円から前年比5.5%増の7200億円、当期純利益予想は従来の570億円から同22.8%増の500億円に下方修正した。想定為替レートはドル/円78円、ユーロ/円95円と従来の想定を据え置いた。
永守社長は会見で、減速感が出ている世界経済が「10―12月を底に戻るか現段階では見えない」とした上で、中国市場では反日デモを機に、自動車、電機メーカー向けのモーターの販売に影響が出ているとの見方を示した。景況悪化を踏まえ、ハードディスクドライブ(HDD)の市場予測も期初予想から下方修正した。
また、今後のM&Aの方向性については、産業・商業用モーターの買収はひと段落したとした上で、15年までに「車載関係をもう少し買う」との考えを明らかにした。
12年4─9月期の連結売上高は前年同期比1.0%減の3535億円、営業利益は同5.0%増の428億円、当期純利益は同19.5%増の269億円だった。
(ロイターニュース 長田善行;編集 内田慎一)
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