[東京 31日 ロイター] 任天堂7974.OSの岩田聡社長は31日の決算説明会で、2014年3月期に1000億円以上の営業利益を目指すとしたことに関し「コミットメントだ」と述べ、目標を達成できなかった場合の経営責任に言及した。
岩田社長は、13年3月期の業績予想を2期連続の営業赤字に下方修正したのを受けて、来期の営業利益について「現状の為替の前提が変わらない限り1000億円以上を目指す」と改めて表明した。
目標達成に向けて、携帯型ゲーム機「3DS」と据置型ゲーム機「WiiU」のハード機の拡大を図る考え。岩田社長は「今期と同じ数量しか3DSが売れないなら達成できない。(来期は)われわれのプラットフォームを拡大させるのが当然の目標になる」と述べた。
具体的には、昨年の年末商戦で3DSが「とびだせ どうぶつの森」のソフトを投入したのをきっかけに国内での販売が伸びた経験を生かして「海外でも日本と同じ流れを作る。密度高く有力なソフトを出して3DSの勢いを変えていく」と述べた。
2011年2月に発売した3DSは、昨年12月末で国内の累計販売が1000万台を突破したが、市場規模が日本より大きな米国の累計が997万台と海外市場での出遅れが目立っている。岩田社長は「海外の3DSの販売数はポテンシャルからして十分ではない」と指摘した。
昨年の年末商戦から日米欧などで投入したWiiUは、3月末までの販売計画を従来の550万台から400万台に下方修正。岩田社長は「今年の夏以降にソフトが充実してくる時期に向けて流れを大きく変えることを目指す」と強調した。
「目標を達成できなければ経営責任をとるか」との質問に対して岩田社長は「それは私が『コミットメント』という表現を使ったことで理解いただけると思う」と答え、強い決意を示した。
<中国市場、状況変われば動けるように準備>
中国のチャイナ・デーリー紙が28日、政府筋の話として、中国当局が家庭用ゲーム機の禁止政策の見直しを検討していると報じた。中国当局は、若者への悪影響を考慮して、2000年からゲーム機の製造・販売・輸入を禁止している。
岩田社長は報道に対して「情報の確証がない。われわれとしては中国市場の状況が大きく変わったと認識していない」と述べた。ただ「もし状況が大きく変わるならチャンス。そういうことになれば動けるように準備はしている。そのときにできるオプションはある」と述べた。
(ロイターニュース 村井令二;編集 田中志保 吉瀬邦彦)
*内容を追加します。
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