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米ファンドの提案、新しい取締役会で時間かけて議論=ソニー社長

[東京 20日 ロイター] - ソニー6758.Tの平井一夫社長は20日の株主総会で、米投資ファンド、サード・ポイントが映画や音楽などエンターテインメント事業の一部分離上場を提案していることに対し、同日選任された新しい取締役会で、時間をかけて議論し、結論を出していく方針を示した。

6月20日、ソニーの平井社長は、米サード・ポイントからエンターテインメント事業の一部分離上場を提案されていることについて、「今後の取締役会で適切に検討して判断していく」と述べた。写真は5月撮影(2013年 ロイター/Toru Hanai)

サード・ポイントはソニーに対し、エンターテインメント事業の一部分離上場とともに、ソニー取締役会への役員派遣を要求。同日のソニー総会の議案にはなっていなかったが、平井社長は、株主からの事前質問が多かったことを指摘した上で、総会の冒頭発言で自ら「今後の取締役会で適切に検討して判断していく」と述べた。エンターテインメント事業については「成長戦略にとって大変重要な事業だ」との見解を繰り返し強調した。

その後の質疑では、株主から「もっと詳しく説明してほしい」との要望が出た。これに対して平井社長は「取締役会でいろいろな角度から提案を分析して、真摯に議論して結論を出していく」とのスタンスを繰り返し強調。さらに「短時間で結論のための結論を出すようなものではない。時間をかけて、外部からの情報を入れつつ議論したい」との方針を示した。

また別の株主から「社長の対応をはっきり回答してほしい」との指摘が出たことに対しては「私は、取締役の1人として提案を慎重に議論して、その結論が出た段階で、サード・ポイントだけでなく株主にも案内する。そうしたステップを踏んでいくことが重要だ」と述べて、現段階での見解表明を避けた。その上で「(この総会で選任される)新しい取締役の中で議論したい」とした。

<ストリンガー氏退任、後任に永山・中外薬会長>

同日の総会では、平井社長はじめ2人の社内役員のほか、原田泳幸・日本マクドナルドホールディングス2702.OS会長兼社長など3人の新任役員を含む、総勢13人の新しい取締役会が承認された。同時に、前会長兼社長のハワード・ストリンガー氏、元社長の中鉢良治氏の取締役退任を決議した。

総会後の取締役会で、ストリンガー氏の後任として、中外製薬4519.T会長の永山治氏が取締役会議長に就任することが決まった。永山氏は2010年6月からソニーの社外取締役で、12年6月から副議長を務めていた。

ソニーは03年から委員会設置会社に移行し、取締役会は執行役の業務を監視する役割を明確化。取締役会は社外が大半を占め、平井社長ら代表執行役は議長を兼務しないこととなっている。

総会は午前10時から始まり、1時間55分で終了(前年は1時間43分)。3月末の株主総数74万5471人(同71万4039人)のうち、会場の出席株主数は1万0693人(同9303人)だった。出席株主数は過去最高。

(村井令二:編集 内田慎一)

*情報を追加して再送します。

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