[東京 16日 ロイター] - ソフトバンク9984.Tは16日、携帯電話端末の卸売りを手掛ける米ブライトスター社の株式取得に向け協議していると発表した。世界の通信事業者と取引のある同社を取り込むことで、メーカーとの端末調達交渉を優位に進めることが期待できる。
フロリダ州マイアミに本社を置くブライトスターは、米アップルAAPL.Oや韓国サムスン電子005930.KSなど、100社以上のメーカーから携帯電話端末を大量に仕入れ、通信事業者や小売業者に卸している。取引先の携帯電話会社は米ベライゾン・ワイヤレスや英ボーダフォンVOD.L、ソフトバンクなど200社以上、小売業者は米ウォルマートWMT.Nや米アマゾンAMZN.Oなど3万社以上に上る。
ソフトバンクの孫正義社長は、かねてから端末調達力の重要性に言及しており、9月の新商品発表会でも「スプリントS.Nとの統合効果でNTTドコモ9437.TとKDDI9433.Tを合計した以上の数を発注することになるので、(メーカーに対する)交渉力が一気に増した」と語っていた。
ソフトバンクは株式取得に向け協議中であることを認めた上で、「現時点で決定した事実はなく、開示すべき事柄が発生次第、速やかに開示する」としている。
16日付の日本経済新聞朝刊は、ソフトバンクがブライトスター買収に向け最終調整に入ったと報じた。投資ファンドなどから株式5割超を取得し、最終的には約7割まで増やす計画で、取得額は1000億円強とみられるという。
ソフトバンクは携帯電話市場が飽和しつつある日本国内から、海外へ事業を広げつつある。7月には米携帯電話3位スプリントの買収を完了。さらにコンテンツを拡充するため、フィンランドのスマートフォン向けゲーム会社スーパーセルの株式取得を10月15日に発表した。
(久保信博)
*内容を追加します。
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