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インタビュー:欧州PHV狙いリチウムイオン電池事業強化へ=GSユアサ社長

[京都市 19日 ロイター] -自動車用電池大手、ジーエス・ユアサ コーポレーション(GSユアサ)6674.Tの依田誠社長はロイターとのインタビューで、電気自動車(EV)の販売が伸び悩む中、欧州メーカーのプラグインハイブリッド車(PHV)向けの受注を拡大し、車載リチウムイオン電池を強化していく考えを示した。

12月19日、ジーエス・ユアサ コーポレーション(GSユアサ)の依田誠社長はロイターとのインタビューで、電気自動車(EV)の販売が伸び悩む中、欧州メーカーのプラグインハイブリッド車(PHV)向けの受注を拡大し、車載リチウムイオン電池を強化していく考えを示した。1月撮影(2013年 ロイター/Issei Kato)

今年1月に発火事故が起きた航空機向けバッテリーについても、改良したバッテリーの安全性に自信を見せた。

<ボッシュとの相乗効果>

GSユアサは来年1月、独自動車部品大手ロバート・ボッシュROBG.ULと三菱商事8058.Tの3社で、リチウムイオン電池の開発・販売を手掛ける合弁会社をドイツに設立する。ボッシュの販路を活用することで、車載リチウムイオン電池の拡販を目指す考え。また同社から生産技術などを吸収し、品質のさらなる安定化も狙う。

EVの不振などで赤字が続く車載リチウムイオン電池事業は2015年度に黒字化させる計画。三菱商事、三菱自動車工業7211.Tと出資する電池製造子会社のリチウムエナジージャパン(LEJ、滋賀県栗東市)では、仏自動車メーカーのPSAプジョー・シトロエンPEUP.PA向けの電池生産を始めるほか、15年度までに新たに複数の欧州企業に電池を供給する構え。

インタビューの中で、依田誠社長は、厳しい二酸化炭素(CO2)排出規制などへの対応が迫られている欧州の自動車メーカー各社は「プラグインハイブリッド車にシフトしつつある」と指摘する。

ただしGSユアサによると、PHVはEVに比べ、1台あたりのリチウムイオン電池の容量が現状で半分から3分の2程度となり、同社の電池の生産量が減る懸念もある。それでも「色々なメーカーがプラグインハイブリッド車をラインアップする方が、はるかに大きな(電池の)需要が見込める」と述べ、PHVのおう盛な需要がEVの不振を補うものになるとの見方を示した。

<燃料電池には参入せず>

一方、トヨタ自動車7203.Tとホンダ7267.Tは、15年にも水素を用いた燃料電池車(FCV)を市場投入する計画を表明している。GSユアサは産業用燃料電池の研究開発は進めているが、車用は手を付けていない。

今後、車用燃料電池分野に参入する可能性について依田社長は「今のところ考えていない」と否定。FCVだけでなくEV,PHV、HVそれぞれの需要が「徐々に増えていく」と話し、車載リチウムイオン電池の需要も当面、堅調に増加するとの見方を示した。

<航空機での普及に期待>

同社が製造する米ボーイングBA.N787型機向けバッテリーを巡り、依田社長は事故の原因は最終的に究明された訳ではないとしながらも、改良されたバッテリーは同機の運航再開後、同様の問題は発生していないと指摘。特に心臓部となる電池セルにおいては「設計も製法も何も変えていない」とし、「製造上の欠陥はなかった」との認識を示した。

事故原因の究明はこれまで米運輸安全委員会(NTSB)を中心に進められてきた。依田社長によると、データの収集作業や電池の解体調査はすべて終了し、NTSBが最終報告書の作成に着手したという。同報告書の公表は完成に1年近くかかるため、来年秋になる可能性があると依田社長は見ている。

GSユアサにとって、航空機向け電池の売上高は数億円程度と全体の1%にも満たないものの、高い技術を蓄積できる先端分野に関わる意義は大きい。航空機でのリチウムイオン電池の採用は現在、787型機のみにとどまっている。

依田社長は「エネルギー密度や使い勝手を考えるとリチウムイオン電池に勝るものはない」と強調。航空機用バッテリーは「個人的にはリチウム(イオン電池)に変わっていくと思う」と話した。その上で、電池メーカーとして一連の事故によるマイナスイメージの「払しょくに努力しなければならない」との考えを示した。

(インタビューは18日に行いました)

長田善行 久保田洋子  編集:北松克朗

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