[メルボルン 14日 ロイター] - テニスの四大大会初戦、全豪オープン(OP)出場のためにオーストラリア入りした男子の世界ランキング1位ノバク・ジョコビッチ(34、セルビア)のビザ(査証)が再び取り消された問題を受け、テニス界からは「今はプレーしないのが最善の選択」など厳しい声が上がっている。
四大大会最多タイ20勝を誇るジョコビッチは今月5日、全豪オープンに向けてメルボルンに到着。新型コロナウイルスワクチン接種の要件を満たしていないとして入国できず、ビザが無効とされたものの、豪裁判所が当局の決定を取り消し入国が許可された。
ところが、オーストラリア政府は14日にジョコビッチのビザを再び取り消すと発表。同選手は、弁護士との面談を認められつつも、現地時間15日午前8時(日本時間15日午前6時)に入管の勾留施設に戻るよう政府から命じられた。なお、ジョコビッチ側は異議を申し立てている。
このような状況を巡り、テニス界からはさまざまな意見が上がるなか、女子で四大大会7勝の実績を持つジュスティーヌ・エナン氏(ベルギー)は「今は彼がプレーしないことが最善の選択だと思う。ジョコビッチは正しいことだと考えているので戦うべきではないとは言わないが、とても多くのオーストラリア国民が彼にプレーしてほしくないと思っているのはすでに証明されていると思う」と厳しい言葉を口にした。
元全仏女王のスー・バーカー氏(英国)は、世界ナンバーワンの選手に出場してもらいたかったとしつつも「ワクチンを接種すれば彼は出場できた。彼が接種をしないことを選んだのは分かっているし、それは彼の権利。ただ、その選択には結果が伴う」とコメント。
四大大会3勝を誇る元世界ランキング1位のアンディ・マリー(英国)は、「このような状況となってしまったことを残念に思う」とし、「とにかく解決してもらいたい。それがみんなにとって良いことだと思う。この問題はしばらくの間続いているし、それはテニスにとっても、全豪やノバクにとっても素晴らしいことではない」と語った。
また、世界4位のステファノス・チチパス(ギリシャ)は、ビザの再取り消しが発表される前に、ジョコビッチについて「自分勝手なルールに従っている」と話し、ワクチンを接種した選手らが「愚か者に見える」と批判していた。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」