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テスラがリチウム生産を計画、問題山積で専門家は疑問視

[23日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラは、EV用バッテリー向けのリチウム生産を計画していることを明らかにしたが、専門家からは、認可手続きやリチウムの抽出方法、採掘に必要な水の確保などを巡り、最初から問題が山積しているとの指摘が出ている。

 米EV大手テスラは、EV用バッテリー向けのリチウム生産を計画していることを明らかにしたが、専門家からは、認可手続きやリチウムの抽出方法、採掘に必要な水の確保などを巡り、最初から問題が山積しているとの指摘が出ている。写真はイーロン・マスクCEO、1月撮影(2020年 ロイター/Aly Song)

テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は22日、同社のバッテリー工場「ギガファクトリー」があるネバダ州で1万エーカーの粘土鉱床の権益を確保したと表明。社内で開発した手法で、この粘土鉱床からリチウムを抽出する方針を示した。

実現すれば、世界で初めて粘土からリチウムを商業生産する企業となる。

同社の計画によると、粘土に食塩を混ぜて水を加えると、化学反応で塩とリチウムが浸出するため、そこからリチウムを抽出する。環境への影響を最小限に抑えるため、粘土は地表に戻すという。

同CEOは「非常に持続可能なリチウムの抽出方法だ」と述べたが、権益を取得した鉱床がネバダ州のどこにあるのかや、すでに開発に着手しているのかについては、コメントしなかった。

この計画に対しては、専門家から、あまりも単純で詳細がよくわからないとの声が出ている。

リチウム産業のコンサルタント、クリス・ベリー氏は「テスラの計画には、多くの疑問点がある。既存のリチウム開発プロジェクトよりもコストが安くなるというマスク氏の言葉を鵜呑みにできるのだろうか」と述べた。

テスラのコメントは取れていない。

ネバダ州では、複数のリチウム開発プロジェクトが進められているが、開発業者の1社であるリチウム・アメリカス・コープ(LAC)は、10年以上前から連邦政府に認可を申請している。

LACは酸浸出を含む工程で粘土からリチウムを抽出できると自信を示しているが、テスラの手法では酸が用いられておらず、さらなる疑問が浮上するという。

ベリー氏は「もし粘土からバッテリーに利用できる品質のリチウムを商業生産できるのであれば、なぜすでに実現していないのか」と語った。

テスラがリチウム開発を進める場合、込み入った認可手続きが必要になり、認可取得に何年もかかる可能性がある。

テスラ株やリチウム生産会社の株式に投資している上場投資信託「グローバルXリチウム&バッテリー・テクノロジーETF」のペドロ・パランドラニ氏は「リチウムの採掘は非常に難しい。テスラが本当に単独で採掘するのであれば、生産開始までに4-5年はかかるだろう」と述べた。

またテスラの計画では、大量の水が必要になる公算が大きいが、ネバダ州は乾燥地帯で、地下貯水池の利用権を巡って牧場と争うことにもなりかねない。

米国で唯一稼働していたリチウム鉱山はラスベガスの北方322キロの地点にあったが、先月閉鎖された。

この鉱山はアルべマールが運営し、1960年後半から操業していたが、リチウムの年間生産量は5000トン未満で、テスラが必要とする水準を大幅に下回っている。

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