[サンフランシスコ 6日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラのマスク最高経営責任者(CEO)は6日、バイデン政権が打ち出した労働組合優遇のEV購入支援法案について、財政赤字悪化を招くので議会は承認するべきでないと訴えた。
この法案には、従業員が労組に所属しているメーカーが米国で生産したEVに対して4500ドルの税額控除を上乗せする仕組みが盛り込まれた。ただテスラや外国メーカーは米国内に労組を持たず、適用対象に入らないことから、マスク氏は批判を強めている。
マスク氏はウォール・ストリート・ジャーナル紙の会合で「正直に言って、法案が可決されない方が事態が良くなるのではないか。私は文字通り、全部の助成措置の撤廃に言及している」と語り、政府は一切手を引いて業界の進歩を邪魔しないのが得策だと付け加えた。
もっともテスラ自体、これまでにさまざまな政府の支援や規制の枠組みの恩恵を受けてきた。例えば2019年以降、同社は排出権取引制度で排出権を売却して30億ドル強を確保している。また政府がゼネラル・モーターズ(GM)再建手続きを進めたおかげで、テスラはカリフォルニア州フリーモント工場を取得することができた。
一方マスク氏は、与党民主党の富裕層に対する課税提案について改めて反対を表明。「有能さを証明してきた人々から資本配分の仕事を奪い取り、非常にみじめな成果しか残してこなかった政府という組織にゆだねるのは、合理的ではない」と説明した。
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