Reuters logo
コラム:EV投資、狙い目はテスラより電池メーカー
2017年11月2日 / 03:54 / 13日前

コラム:EV投資、狙い目はテスラより電池メーカー

[ニューヨーク/香港 1日 ロイター BREAKINGVIEWS] - イーロン・マスク氏が率いる米電気自動車(EV)大手テスラ(TSLA.O)は、市場で長いこと電気自動車(EV)と自動運転車の技術革新に投資する最良の手段と目されてきた。

 11月1日、イーロン・マスク氏が率いる米EV大手テスラは、市場で長いことEVと自動運転車の技術革新に投資する最良の手段と目されてきた。写真は台北のショールームで8月撮影(2017年 ロイター/Tyrone Siu)

しかしそれ故に、赤字決算が常態化し、生産目標は未達で、競争が激化しているにもかかわらず、株価がとてつもない水準に上昇している。一方、主要なEV用バッテリーメーカーは株価が比較的割安で、自動車の技術革新で富を成すならバッテリーメーカー株に資金を振り向けた方が安全かもしれない。

テスラは1日の取引終了後に公表した第3・四半期決算で、経営目標と現実のギャップが浮き彫りになった。純損失は6億1900万ドルと過去最大。新型セダン「モデル3」についても週5000台とする量産目標の達成時期を3カ月ほど先延ばしし、2018年第1・四半期末とした。

テスラの今回の決算発表前から、投資先を他のEV関連銘柄に乗り換える動きは進んでいたようだ。トムソン・ロイターのデータによると、テスラと組んでEV用電池工場を建設しているパナソニック(6752.T)は株価が過去12カ月で約73%上昇。同じくEV用バッテリーを手掛ける韓国のLG化学(051910.KS)も株価が69.5%上昇している。両社は配当分を入れると投資利回りがそれぞれ3%ポイントずつ上昇する。これに対してテスラの株価上昇率は69%程度だ。

3社の予想利益に基づく株価収益率(PER)をみると、リターンのギャップはさらに広がりそうだ。テスラは、初の黒字転換が見込まれている2019年の予想利益に基づくPERが56倍に達している。しかしテスラは2018年末までに年50万台を生産するとの目標が後ずれするリスクがある。ハイテク企業として考えれば成長を続けており、利幅も普通だが、従来の自動車メーカーの水準にはとても及ばない。

これに対してパナソニックとLG化学は2019年の予想利益に基づくPERがそれぞれ16倍、14倍と、はるかに妥当な水準にある。

また両社は販路がより多様で、多くの自動車メーカーにバッテリーを供給している。先月の販売台数がテスラの「モデルX」と「モデルS」を抜いたゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N)のEV「ボルト」は、LG化学にとって最も知名度の高い供給先だろう。製品はフォード・モーター(F.N)やルノー・日産自動車連合(RENA.PA)(7201.T)にも供給されている。さらにパナソニックとLG化学は、ハイブリッド車向けにより安価なバッテリーも提供している。

パナソニックとLG化学は自動車産業だけに集中しているわけではない。LG化学は第3・四半期の自動車関連の売上高比率は20%弱にすぎず、パナソニックも第2・四半期の比率がこれよりもやや低い。リスクを取り過ぎが心配な投資家にとっては安心材料になるだろう。

しかしテスラにほれ込んだ投資家の心にこうした主張は響かない。

●背景となるニュース

*テスラが発表した第3・四半期決算は、純損益が6億1900万ドルの赤字となった。実質1株損益は2.92ドルの損失で、赤字幅はセルサイドのアナリストの予想平均の2.48ドルを上回った。売上高は29億9000万ドルと、アナリスト予想の29億7000万ドルを超えた。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below