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コラム

コラム:割高化進むテスラ株、業績健闘でもなお険しい道のり

[メルボルン 27日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米電気自動車(EV)メーカーのテスラで利益率の高い車種の販売が不振だった場合、かつてならば大赤字が懸念されたものだ。

 4月27日、米電気自動車(EV)メーカーのテスラで利益率の高い車種の販売が不振だった場合、かつてならば大赤字が懸念されたものだ。写真はテスラのロゴ。上海自動車ショーで20日撮影(2021年 ロイター/Aly Song)

ところが今回はそうなっていない。テスラが26日に発表した第1・四半期決算は、改良に伴う生産中断問題で「モデルS」と「モデルX」の納車台数がわずか2000台と前期比89%も減少したにもかかわらず、株式報酬費用を除くベースで11億ドル(約1188億円)の利益を計上した。

こうした業績の健闘ぶりは、最終的に株価のバリュエーションを正当化してくれる。ただしそれが1年前ならば、という話だ。

全体的に見てテスラは順風満帆の状況にある。第1・四半期の全車種合計納車台数は18万5000台に届こうかという水準で、前年同期の2倍以上に膨らんだ。テキサス州オースティンとドイツ首都ベルリン郊外では新工場建設が進み、生産能力は今後さらに拡大するだろう。投資も上向いている。テスラが黒字化に四苦八苦していた時代にずっと抑え込まれていた研究開発費は6億6600万ドルと昨年3月末比でほぼ倍増し、もはや形ばかりの規模でなくなったとの期待が持てる。

さらにマスク最高経営責任者(CEO)は、経費もうまく節約しているように見える。第1・四半期の経費は前年比70%増と、売上高伸び率の74%を下回った。利益率が高いモデルSとモデルXの販売台数が大きく落ち込まなければ、この差はさらに開いていただろう。主に昨年の数回にわたる株式売り出しのおかげで、手元に170億ドル強の資金も確保できた。

これらの要素を全て勘案した上で、テスラの評価額を1400億ドル前後とすれば、とても割高とは見なせない。確かにテスラの第1・四半期の営業利益率は5.7%と、フォード・モーターやトヨタ自動車といった、もっと歴史があり、年間数百万台も生産するようなメーカーのグループに含めれば、中位クラスの成績でしかない。しかしテスラの成長スピードは速く、バッテリーと自動運転技術の両面でさらに進化している。だからリフィニティブがまとめた今年の予想利益48億ドルに基づき、株価がその30倍で取引されるという想定は十分擁護できる。

問題は、この評価が1年前の数字である点だ。それ以降でテスラの時価総額は5倍になっておよそ7000億ドルに、株価収益率(PER)は約150倍にそれぞれ跳ね上がっている。多分マスク氏なら、そうした領域までテスラを成長させることはできるだろう。ただ、そこにたどり着くには、EVと自動運転車の両方の販売台数を押し上げる必要があり、道のりはこれまでよりはるかに険しくなる。

●背景となるニュース

*テスラが26日発表した第1・四半期の純利益は4億3800万ドルだった。1株当たり利益は0.39ドルで、リフィニティブのデータに基づくセルサイドのアナリスト予想中央値は0.47ドル。

*株式報酬費用を除く利益は11億ドル。同1株利益は0.93ドルと、アナリスト予想中央値の0.79ドルを上回った。売上高は約104億ドルで、アナリスト予想の103億ドルをわずかに超えた。

*テスラの手元資金は171億ドルで、昨年第4・四半期から22億ドル減少した。減少分は、テスラのビットコイン購入と、債務・リース代金返済にほぼ半分ずつ使われた。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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