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アングル:タイの景気回復に息切れ懸念、コロナ感染拡大対策で

[バンコク 5日 ロイター] - タイは新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込むための新たな規制に乗り出しており、始まったばかりの景気回復が早くも息切れしそうだ。

 タイは新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込むための新たな規制に乗り出しており、始まったばかりの景気回復が早くも息切れしそうだ。写真はバンコクで2013年4月撮影(2021年 ロイター/Damir Sagolj)

当局は今月、学校やバーなどの施設を閉鎖し、バンコクや一部の県では営業時間を制限した。プラユット首相は4日、自宅にとどまって移動を控えるよう国民に求めた。

タイは昨年半ばまで新型コロナウイルスの感染を大方抑え込んでいたが、12月に外国からの出稼ぎ労働者を含む集団感染が発生し、半分以上の県に感染が広がった。

エコノミストらは、直近の感染拡大により小売りや主力の観光業が新たな打撃を受けると心配している。両業種とも、政府が打ち出した1兆9000億バーツ(635億7000万ドル)規模の経済対策の中心となっている。

東北部ウドンタニ市で衣料品店を営むChanaporn Fongwichaiさん(31歳)は「状況は非常に厳しい。人々はお金を使いたがらない」と話す。店では直近の感染拡大により、売上高が半減したという。

タイ経済は昨年第2・四半期にアジア金融危機以降で最悪の落ち込みを示した。入国制限が響いた上、感染防止策によって支出や投資は低迷している。

昨年第3・四半期には制限の緩和によって景気が持ち直したが、アナリストらは新たな規制によって再び悪化すると懸念している。タイ経済は昨年、過去20年余りで最悪となる6─7%のマイナス成長だったと推定されている。

タイ中央銀行は昨年12月、2021年の経済成長率見通しを3.6%から3.2%に下方修正、20年の成長率をマイナス6.6%とする見通しを示した。

一部のアナリストも中銀の下方修正に追随。CIMBタイ銀行は先週、21年の成長率見通しを4.1%から2.6%に引き下げた。

ティスコ・グループのエコノミスト、Thammarat Kittisiripat氏は今年の成長率見通しを従来の3.4%から3%未満に切り下げる予定だと説明。「新型コロナウイルス感染の新たな波はこれまでの波よりも厳しく、今年の景気回復を妨げるだろう」と述べた。

主な懸念の一つは、政府の観光業復興策が感染拡大によって頓挫することだ。タイは昨年10月、外国からの観光客受け入れを再開した。

タイには2019年に外国から約4000万人が訪問。外国人訪問者の支出は国内総生産(GDP)の11.4%を占めた。政府は今年の外国人訪問者数が昨年の670万人から500万人に減少すると予想している。

タイ各地で20件のホテルを運営しているNSトラベル・アンド・ツアーズのアソシエイト・マネジング・ディレクター、Chotchuang Surangkul氏は「当社の予約率は昨年10─11月時点では80─90%だったが、現在は20%を下回っている」と話した。同社は状況に対処するため昨年7月以降、従業員を週4日の勤務として賃金を20%引き下げたという。

タイの自動車業界も新たな規制による需要減を懸念している。生産する自動車の半分を輸出している同業界は、バーツ高で外国での販売が打撃を受けている。バーツの対ドル相場は昨年4月以降、10.9%上昇した。

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