[10日 ロイター] - 動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」は、親会社である中国バイトダンスがアクセスできない形で米国ユーザーの情報を保管する案で米オラクルと合意に近づいている。データ保全を巡る米当局の懸念を和らげる狙い。事情に詳しい複数の関係筋が明らかにした。
トランプ前米政権は2020年、米ユーザーの情報を中国政府が入手する恐れがあるとの懸念から、バイトダンスにTikTokの米国事業売却を命じた。
バイデン政権に交代後、この命令は執行されていないが、対米外国投資委員会(CFIUS)はTikTokのデータの安全性に引き続き懸念を抱いており、バイトダンスはこれに対処したい考えという。
TikTokとオラクルの提携で安全保障上の問題が解決されるとCFIUSが見なすかどうかは不明。
関係筋によると、両社の提携案ではTikTokの米ユーザーの全情報をオラクルが自社サーバーに保管する。
バイトダンスがアクセスできないよう、専属の米データ管理チームを立ち上げる。双方はこのチームがTikTokの管理・監督を受けずに独立して稼働できる仕組みを協議している。
TikTokはファイアウォールやサイバーセキュリティー対策について、他のテクノロジー企業との提携も模索しているという。
TikTokの広報担当者はオラクルとの提携についてコメントを控え、「ユーザー情報の安全を維持する総合的な取り組みの一環として、データセキュリティーに引き続き投資している」と述べた。
オラクルのコメントは得られていない。
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