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インタビュー:市場部門「脱JGB依存」、顧客ビジネス強化=三菱UFJ銀専務
2012年4月23日 / 15:37 / 6年前

インタビュー:市場部門「脱JGB依存」、顧客ビジネス強化=三菱UFJ銀専務

[東京 24日 ロイター] 三菱東京UFJ銀行の市場部門を統括している鈴木人司専務は、ロイターとのインタビューで、今後3年間で、国債ディーリング益に依存していた市場部門の収益構造を大きく転換し、海外企業に対するデリバディブ(金融派生商品)販売などの対顧客向けビジネスを強化する方針を表明した。

4月24日、三菱東京UFJ銀行の市場部門を統括している鈴木人司専務は、ロイターとのインタビューで、今後3年間で、国債ディーリング益に依存していた市場部門の収益構造を大きく転換し、海外企業に対するデリバディブ(金融派生商品)販売などの対顧客向けビジネスを強化する方針を表明した。写真は都内の同行支店前で2010年11月撮影(2012年 ロイター/Yuriko Nakao)

今年度からスタートする中期経営計画の柱として、市場部門が管轄する海外拠点の拡充を進める。現在は、国債売買などの自己勘定部門の収益が市場部門の75%を占めるが、3年後には顧客に市場性商品を販売するセールス・アンド・トレーディング部門の比率を50%に引き上げたい考えだ。鈴木専務は「(セールス・アンド・トレーディング部門を)本気でやらなければ市場部門の将来はない」と強調した。

邦銀の市場部門は、預金を原資として日本国債や米国債などに投資し、運用収益を得る自己勘定部門と、顧客企業に金利や為替などの価格変動リスクを回避するデリバティブを売り、そのリスクを市場で売り買いするセールス・アンド・トレーディング部門の二つの柱で成り立っている。邦銀は預金が貸出金を大きく上回る預金超過状態が続いており、運用手段として日本国債(JGB)のディーリング益への依存を深めてきた。

インタビューの主な内容は以下の通り。

――なぜ今、セールス・アンド・トレーディング(S&T)業務を強化するのか。

「今は、顧客のニーズが変化して、複雑な市場性商品は求められなくなっている。しかし、これまで欧米の金融機関は高度な金融技術を駆使した市場性商品を売って高い収益を得てきた。その分、人件費やインフラなどが高コスト構造になっている現実がある。今後、プレーンな商品やビジネスが主流になれば、彼らはコスト的に耐えられない。われわれは、そこで競争力を発揮できると考えている。企業が長い期間の為替デリバティブを金融機関と契約すると、相手の金融機関のクレジットリスクを負うことになる。欧米大企業は、欧米の金融機関に与信枠を持っているが、それが欧州危機に直面して非常に厳しくなっている。非日系の大企業からもそうした取引をやりたいという話も増えている。この世界で欧米列強に対して戦いを挑みたい」

――脱JGB依存という側面はあるのか。

「それはある。本当は、自己勘定部門の収益を維持しつつ進めたい。しかし、昨年も債券の売買益を大きく出したが、言ってみればあまり健全性の高くない収益で、それは落としていく。S&Tを本気でやっていかなければ市場部門の長期的な未来はない。中期経営計画の終わる3年後には、市場部門の収益割合は(自己勘定部門とS&T部門とで)1対1の割合になることを目指す。現在は自己勘定が75%、S&Tが25%というイメージだ。粗利ベースで言うと、S&Tは現在2000億円だが3年後には2700億円に増やし、自己勘定は2500億円程度になる見通しだ」

――収益力の向上につながるか。

「今でもS&Tはやっているが、あえて言えば『そこそこでいいや』という面もあった。今後、伸長を期待できる海外でビジネス展開しようとすれば、必然的にこういう世界で勝負せざるを得ない。他のメガバンクも必ずこの分野に出てくると思うし、一歩前に出て走っていこうと考えている」

「すでに、われわれの海外貸出の半分は非日系企業だ。これまでは海外も貸出中心にやっていたが、今後はトランザクション(決済関連)バンキングと、S&Tを柱に加える。こうした業務の方が相対的にリターン・オン・リスクアセット(RORA)が高い。トランザクションバンキングだと、さらにリスクアセットを使わないで済む。貸出だけでは資本効率に限界があるので、こういう分野を加えることで高いリターンを上げていくことができる」

――具体的な体制整備はどう進めるのか。

「現在、ロンドンやニューヨークなどに市場部門の直轄拠点があるが、今後は国際部門との共管も含めて中国やタイ、インドなどにも拡充し、世界10拠点に増やす。今はそれ以外の拠点では自らポジションを取れず、価格競争力がない。マーケットメイクできる拠点が拡充できれば、その場でいいプライスを出すことができる。人員も積極的に採用していく」

(ロイターニュース 布施太郎 浦中大我 編集:内田慎一)

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