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米FOMC、数値基準導入と国債購入を決定:識者はこうみる
2012年12月12日 / 18:47 / 5年後

米FOMC、数値基準導入と国債購入を決定:識者はこうみる

[ワシントン 12日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)は11─12日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、失業率が6.5%に低下するまで事実上のゼロ金利政策を継続するとの方針を決定、金融政策見通しの説明に数値基準を導入する前例のない措置に踏み込んだ。

12月12日、米連邦準備理事会(FRB)は発表した連邦公開市場委員会(FOMC)声明で、モーゲージ担保証券(MBS)の月額400億ドルの買い入れを続ける一方、年内に期限が切れるツイストオペに代わって、国債を月額450億ドル買い入れる方針を示した。写真はワシントンのFRBで6月撮影(2012年 ロイター/Yuri Gripas)

その条件として、向こう1─2年のインフレ見通しが2.5%を超えず、インフレ期待が抑制されている限り、低金利政策を継続するとした。

FRBはまた、年末に期限切れを迎えるツイストオペに代わり、月額450億ドルの国債を買い入れる方針も明らかにした。

市場関係者の見方は以下の通り。

●リスクオンが一段と強まる感じではない

<明治安田生命 チーフエコノミスト 小玉祐一氏>

失業率ターゲットを設けたことで、米国株は一段高となる場面があったが、結局は「財政の崖」をめぐる懸念が再燃し小幅下落に転じるなど、リスクオンモードが一段と強まる感じではないとみている。

為替は米国の追加緩和でドル高方向に進み、若干予想外の動きとなった。日銀の大胆な追加緩和期待が高く、目先は円が売られやすい状況が残ると思うが、いずれにせよ、金融政策や従来型の財政政策では日本のデフレ脱却は難しい。欧州問題の再燃の可能性が高いために、円売りの動きはそれほど長続きはしないとみている。

今回、ある程度踏み込んだ決定といえるが、米国経済には構造問題が残っているために、相場が好感する動きは限定的となるだろう。

●経済指針はガイドライン

<米国大和証券のチーフエコノミスト、マイケル・モラン氏>

債券買い入れ額に大きな意外感はなかった。ビッグニュースは、ゼロ近辺の金利を続ける政策指針(ガイダンス)としての2015年半ばまでという文言を外し、失業率、インフレ水準、長期インフレ期待というような経済指標を指針としたことだ。しかしこれらはガイドラインであって、直ちに政策変更を引き起こすような固定された基準ではない。

●非常に大胆、失業率は14年末にも6.5%切る可能性

<ムーディーズ・アナリティクス(米ペンシルベニア州)の首席エコノミスト、マーク・ザンディ氏>

今回の米連邦公開市場委員会(FOMC)の決定は非常に大胆で、予想を上回る内容となった。さらなる量的緩和に踏み切り、コミュニケーションも想定をはるかに超え、財政問題への取り組みをにらみつつ、経済が回復しさらに勢いを取り戻すまで積極的な政策運営を継続していくと明言した。

買い入れ規模はコンセンサスに近かったが、新たな対象は国債のみだったことが一部関係者には多少意外だった。個人的には国債とモーゲージ担保証券(MBS)の組み合わせが対象になると予想していた。

なかでも失業率6.5%の数値目標が目立つ。FRBの予想だと、2015年に入ってもすぐには利上げせず、同年の後半に利上げするとの見方と一致している。

個人的な試算では、失業率は14年末もしくは15年春までに6.5%を切る可能性があるとみられる。

今回の決定で金融政策運営は自動操縦モードに切り替わった可能性があり、今後状況がよほど悪化しないかぎりバーナンキ議長ら米連邦準備理事会(FRB)執行部は大幅な政策対応を見送ることになるかもしれない。

●月額450億ドルの長期債購入は追加量的緩和、リスクにプラス

<ファロス・トレーディングのマネジング・ディレクター、ブラッド・ベッチェル氏>

(ツイストオペ終了後に買い入れる長期国債の規模である)月額450億ドルと言う数字は、市場の予想を確認するものだった。これは追加量的緩和(QE)であり、リスクに対しプラスに作用するだろう。

●追加策正当化するほど景気悪化と認識、ドルへの影響軽微

<ワールドワイド・マーケッツの首席市場ストラテジスト、ジョゼフ・トレビサニ氏>

米連邦準備理事会(FRB)は、経済が追加支援措置を十分正当化するほど悪化しているとの認識に立っている。過去4年に行った資産買い入れによる成長支援効果が限定的であることを踏まえると、FRBは出口のない金融政策を余儀なくされている状況だ。景気を改善できないまま、経済崩壊を恐れ、刺激策を縮小できずにいる。

これは既存の政策の延長であり、すでに織り込まれ済みであることから、ドルへの影響は軽微だろう。

●現段階での数値基準の導入に意外感

<イートン・バンスのバイスプレジデント兼ポートフォリオ・マネジャー、エリック・ステイン氏>

声明は非常にハト派的な内容だった。現段階で基準とする数値が文言に盛り込まれたことが意外だった。数値基準の導入は来年まで待つと予想していた。

モーゲージ担保証券(MBS)購入プログラムとともに、「ツイストオペ」についても(短期債)売却なしの(長期債)買い入れを継続する方針を示した。これは大方の予想通りだった。

ただゼロ近辺の政策金利据え置きに関して、2015年半ばまでとしていた時間軸による目安が6.5%の失業率の基準に置き換えられたことはサプライズだ。

●早期の数値基準の導入は驚き

<クレディスイスの金利ストラテジスト、アイラ・ジャージー氏>

これほどまでに早く、エバンズ・シカゴ地区連銀総裁の提案していた数値基準が導入されたことはやや驚きだった。失業率の数値基準は、比較的高い6.5%に設定された。ただ、それ以外には政策スタンスに変化はない。

(新たな国債買い入れが)ツイストオペと異なるのは、7年債の購入を減らし、新たに5年債の買い入れを始めることだ。これにより、長期債の購入額は以前から減ることになる。

*内容を追加して再送します。

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