July 29, 2013 / 1:27 PM / 6 years ago

インタビュー:再稼働議論は「福島の検証・総括が先決」=新潟県知事

[新潟 29日 ロイター] - 新潟県の泉田裕彦知事は29日、ロイターのインタビューに応じ、原発再稼働をめぐる国内の動きについて、東京電力(9501.T)福島第1原発事故の検証・総括が先行すべきとの考えを強調した。

7月29日、新潟県の泉田裕彦知事は、ロイターのインタビューに応じ、原発再稼働をめぐる国内の動きについて、東京電力福島第1原発事故の検証・総括が先行すべきとの考えを強調した。写真は同原発で2012年2月撮影(2013年 ロイター/Issei Kato)

今月8日に施行した新規制基準について、「事故が起きる前提のもので、安全基準ではない。事故が起きたときの手当てが全くされていない」などと批判した。

東電が同県内にある柏崎刈羽原発の再稼働手続きを進めることに意欲を示していることについても、福島第1から汚染水が海に漏れ、公表が遅れたことで広瀬直己社長が「3.11の教訓を学べていない」と発言していることについて、「原発を運営する責任者としてあるまじき状況。そもそもまだ再稼働を議論するほうがおかしい」と強調した。

<柏崎刈羽、緊急時対応設備に懸念>

新規制基準は、柏崎刈羽原発で採用する沸騰水型軽水炉に対し、緊急時に原子炉格納容器の圧力を下げるために排気する際に、放射性物質を1000分の1程度に減らす「フィルター付きベント設備」の設置を再稼働の要件としている。

泉田知事は、東電による同ベント設備の設置計画が、原子炉建屋と一体でないことを問題視している。背景には、新潟県中越沖地震(2007年)の際に起きた柏崎刈羽でのトランス(変圧器)の火災事故がある。「原発構内の敷地で1.5メートルくらい下がり、(敷地のずれにより)トランスとの間のパイプが外れて、油が漏れて発火した。東電からは、中越沖地震の教訓を踏まえてトランスの基礎を建屋と一体化すると説明を受けたが、今回のフィルターベントでは離すという。そこを手戻り(=作業途中の問題発生により前段階に戻る意味のIT用語)するのか、ということだ」などと述べ、東電の計画に不信感を隠さない。

事故が発生して排気に至った際に、余震などにより原子炉建屋とベント設備をつなぐ配管が破断したら、大量の放射性物質が外部に放出されるとの懸念が残るためだ。

<新規制基準、事故発生の対策不十分>

泉田知事は、新規制基準を策定した原子力規制委員会に対しても、「福島事故の検証・総括も終わっていない段階で基準を作って、安全ですと言われも社会を説得できない」と批判する。「(規制委の)田中俊一委員長は、新基準は安全基準ではないと言っている。事故が起きる前提で対策を取らないといけないのに、被爆(ひばく)を避けるための法律もなければ、シビアアクシデントが起きたときにどう対策を取るのか、法制度の対策もできていない」と指摘。知事は新基準の問題点だと捉える内容を列挙した。

ただ、安倍晋三政権は、原子力規制委が「危険性が十分に低い」と判断した原発については、再稼働させる方針だ。泉田知事は、東電が柏崎刈羽の適合申請を規制委に申請する前に、東電と県などが結んだ安全協定を根拠に、フィルターベント設置計画に関する事前了解を求めている。

これに対し、甘利明経済再生担当相は、「安全上の手続きはできるだけ早く進めたほうがよい」(26日の会見)と述べ、東電の動きに理解を示している。

泉田知事は30日、甘利経済再生相と会談する。「事故が起きるという前提で、ではどうするのかということをなぜ考えないのか。どうするつもりなのか逆に聞いてみたい」と、甘利氏に問い掛ける意向だ。

浜田 健太郎 編集;田巻 一彦

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