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米FOMC声明、緩和縮小の手掛かり示さず:識者はこうみる
2013年7月31日 / 20:00 / 4年後

米FOMC声明、緩和縮小の手掛かり示さず:識者はこうみる

[ワシントン 31日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)は31日、米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明で、景気回復は続いているものの依然として下支えが必要との認識を示し、9月の次回会合で買い入れ縮小に着手するかどうかについて何ら手掛かりを与えなかった。

7月31日、米FRBはFOMC後の声明で、景気回復は続いているものの依然として下支えが必要との認識を示し、9月の次回会合で買い入れ縮小に着手するかどうかについて何ら手掛かりを与えなかった。写真はドル紙幣や硬貨。コロラド州で2009年11月撮影(2013年 ロイター/Rick Wilking)

市場関係者のコメントは以下の通り。

●QE縮小は第4四半期開始、来年終了の公算

<ウェルズ・ファーゴのエクイティ調査戦略部門責任者、ポール・マンガス氏>

率直に言って声明に新しい点はない。連邦準備理事会(FRB)が歩み始めた道筋に変化はないと思う。

今朝発表された経済指標は良好だった。量的緩和の縮小計画については、経済指標の内容改善を受けて今年の第4・四半期に一部縮小が始まり、2014年のある時点で終了する可能性があるといえるだろう。

●緩和縮小の手掛かりと政策指針修正、9月に先送り

<パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)のモハメド・エラリアン最高経営責任者(CEO)>

米連邦準備理事会(FRB)は、(資産買い入れ)縮小の時期と方法をめぐる新たな情報提示と、フォワードガイダンスの修正という2つの重要な問題を9月に先送りした。

過去に縮小に言及した際の市場の著しい混乱や、FRBによる景気刺激策の縮小は時期尚早との意見がなお広く聞かれることを踏まえ、FRB当局者が現時点で先送りを決定したことは理解できる。

次回会合まで最終発表を延ばすことで、より急速な景気回復を裏付ける経済指標によって投資家の懸念が和らぐことをFRBは期待している。

●9月の緩和縮小の可能性遠のく

<ウエルズ・ファーゴ・ファンズ・マネジメント(ウィスコンシン州)の首席ポートフォリオ・ストラテジスト、ブライアン・ジェイコブセン氏>

米連邦準備理事会(FRB)は金融緩和の規模縮小時期に関して時間を稼いだといえる。景気認識は当初の「緩やか(moderate)」から「控えめ(modest)」にわずかながら下方修正された。これにより、FRBは今後、買い入れ資産の構成を変更する口実が得られたのでないか。FRBは住宅ローン金利上昇への警戒を正式に認めていることから、単純にモーゲージ担保証券(MBS)の買い増しもあり得る。

今回の会合での勝者はブラード米セントルイス地区連銀総裁だ。総裁は、過度に低いインフレに対してFRBはきちんと対処していないと不満を表明していた。今回、インフレが継続的に2%を下回る場合、FRBは行動可能との内容が声明に盛り込まれたのはブラード総裁の働きといえる。

声明全体を受け、経済指標が大きく変わらない限り、9月の金融緩和縮小の可能性は遠のいたと考える。

●景気認識に関する表現の変化が重要

<大和証券キャピタル・マーケッツ・アメリカの首席エコノミスト、マイケル・モラン氏>

連邦準備理事会(FRB)の政策スタンスに大きな変化はない。QE(量的緩和)の道筋はこれまで通りだ。(低水準の政策金利を維持する)数値基準も維持した。

変化したのは景気に関する認識だ。成長ペースに関する表現が前回の「緩やか」から「控えめ」になった。大きな変更ではないが現在の状況下では重要だ。成長を「控えめ」とみれば資産買い入れペースは縮小しないだろう。

同様に、住宅ローン金利の上昇を強調しており、金利上昇が住宅市場に及ぼす可能性のある下方リスクにFRBが神経をとがらせていることを示唆している。ここもQEに関わってくる部分だ。住宅部門は成長をけん引しているセクターであり、住宅市場への下向きリスクを懸念していれば、こういったリスクに耐えられるという確信が持てるまで買い入れを縮小することはないだろう。

●ディスインフレ圧力注視を明示、FRBの政策余地は先細り

<ダブルライン・キャピタルのグローバル・ディベロップド・クレジット部門責任者、ボニー・N・バナ氏>

米連邦準備理事会(FRB)が現在の経済環境の中で最も注視しているのはディスインフレ圧力であるということが明確に示された以外、新鮮なものはなかった。

ディスインフレが現実にデフレに移行した場合、明白なインフレよりも修正が難しくなる。増税や歳出削減はすでに経済成長率に弊害をもたらしており、FRBの政策余地は残り少なくなりつつある。

●利上げ観測をけん制、資産購入縮小方針には影響なし

<TDセキュリティーズの金利ストラテジスト、ジェナディ・ゴールドバーグ氏>

(目標を持続的に下回っている)インフレのリスクを強調すると同時に、経済が上期に「控え目な」ペースで拡大したと指摘し、これまでの「緩やかな」ペースとの見解から景気判断を引き下げた。ハト派的なトーンが強い内容と言える。

インフレに関する言及が、今回の声明で見られた大きな変化だろう。ハト派的な姿勢を維持し、利上げ観測をけん制することが狙いと考える。さらに、インフレが低水準にとどまっていることから、金利を長期間にわたり低水準に維持することが適切との立場を鮮明にした。ただ、これが資産買い入れ縮小の道筋に影響が及ぶとは思わない。

また、懸念要因として住宅ローン金利の上昇に言及した。ただ、成長への著しい阻害要因となる恐れがあるとは言明しなかった。

●ディスインフレリスク認識、緩和縮小の時期・ペースに影響も

<バイニング・スパークスの首席経済ストラテジスト、クレイグ・ディムスケ氏>

ディスインフレリスクに対する重大な認識が示された。インフレ率は連邦準備理事会(FRB)の目標を大幅に下回っており、経済に有害となる恐れがある。このことは、FRBが資産買い入れ規模の縮小に着手する時期、および縮小のペースに影響を及ぼす可能性がある。

ただ事態を一転させるものではない。FRBは利回りを引き下げようとしている。債券と株価にとり、支援要因となるとみている。

●9月にQE縮小する理由見当たらず

<カルバート・インベストメンツの債券ストラテジスト、スティーブ・バン・オーダー氏>

インフレが持続的に2%を下回ることのリスクについて文言を追加し、ブラード委員の懸念に配慮する格好となった。

経済指標から判断して、米連邦準備理事会(FRB)が9月に資産買い入れを縮小する理由は見当たらない。仮に9月に縮小に踏み切るとすれば、量的緩和(QE)の規模が大き過ぎるとの懸念か、効果が薄れつつあるとの見方、あるいはレポ市場にゆがみを生じさせているとの懸念が理由になるだろう。

*内容を追加して再送します。

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